ひとり旅日記 ギリシャ

女ひとり旅日記 クレタ イラクリオン考古学博物館 ギリシャ旅22

イラクリオン考古学博物館 (上)のつづきです。

” ”内は博物館の展示ボードより引用し和訳したものになります。

 

イラクリオン考古学博物館 (下)

 

牛の頭をかたどった献酒用の器と女性信者の小像。(右上段)
フェストス宮殿や家屋より出土 紀元前1700-1600年

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

雄牛の形をしたリュトン(右上)
海の生物(タコなど)が描かれた壺やリュトン(下段)
猫の頭部 2つ(下段左 手前) いずれも 紀元前1500-1450年

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

人型の小像 頭部 細かい細工である。

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

日常の一コマが浮かんできそうな生活道具たち

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

フェストス・ディスク 渦巻き状に記された絵文字。解読は進んでいない模様。

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

ゲーム盤 紀元前1600-1450年

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

ワイン造りに使用された道具 紀元前1800-1700年

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

これら大鍋で、どんな料理が作られていたのだろう?

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

一対の参拝者の土像。 ”長いスカートを身に着けた手の込んだ髪型の女性像と、腰布を身に着けた、ウエストが細く太ももが強調された男性像。聖域における小像の典型的な特徴を示している”。 piskokephaloより出土 紀元前1650-1500年

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

右手を額にあて、敬礼の姿勢をとる小像たち

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

なんと! ブランコです!!
アギアトリアダより出土 紀元前1500-1450年。

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

宮殿の柱を表す絵
柱は、上の方が太く赤く塗られているのがわかる。双斧のシンボルも付いている!

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

円形のダンスフロアで4人の男性が踊っている粘土模型。(上段 左から2番目)
”「奉献の角」が付いており、踊りの宗教的な意味合いを示しています。 クノッソスで実際に見つかった円形のダンスフロアは、踊りが公共の見世物だったことを示しています”。
kamilariより出土 紀元前1500〜1450年

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

踊る女性のフレスコ画 クノッソス宮殿の女王の間より出土 紀元前1600-1450年
長い髪が舞い上がっている様子がわかる!

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

美しい黒い牛のリュトン 紀元前1600-1450年

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

印章付き金の指輪   大司祭を囲み祈りを捧げている場面らしい。
(写真のピント合わず、ごめんなさい)

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

牛(左)とヤギ?(上段) 角が特徴的である。
2匹のトビウオ(下段、中央)飛行中。

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

珍品! 石のかつら

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

金の精巧な装飾品

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

埴輪に似ている。両腕を掲げたポーズが特徴的。よく見ると冠に鳥や奉献の角、花のつぼみがあしらわれているのがわかる。

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

石棺 アギアトリアダより出土 紀元前1400年ごろ

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

クローズアップ  子牛を捧げている

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

クローズアップ   先頭の人は供物の入った土器を大きな容器に傾け中身を注いでいる。2番目の人は供物の入った土器を棒の両側に吊るして肩に担いでいる(天秤棒?)。上部に持ち手のついた土器の使い方がわかり興味深い。3番目の人は竪琴を奏でている。

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

もう一つの面

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

クローズアップ

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

クローズアップ

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

イルカのフレスコ画 ”海の景色の構図の一部で、2頭のイルカが小魚の群れの中に向かって・・・泳いでいるところが描かれています。 フレスコ画は女王の間の壁、または床を飾っていました”  クノッソス宮殿より出土 新宮殿時代 紀元前1600-1450年

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

キャンプスツールのフレスコ画 ”儀式の祝宴の場面を現わしています。 フレスコ画が発見された、クノッソス宮殿の西翼の上層階の広間で行われた、実際の宴会を反映しているとされています。 ・・・立ったり座ったりして、・・・杯を掲げている姿が見られます。
アーサーエヴァンスによってパリジェンヌと名付けられた、地中海の特徴を備えた鮮やかなメイクアップをした女性の人物も、構図の一部で・・・ 彼女のより大きなサイズと後ろに束ねた聖なる結び目は、彼女が大司祭であっただろうことを示しています”。
クノッソス宮殿より出土 宮殿時代終末期 1450-1350 / 1300 BC。

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

雄牛狩り、もしくは雄牛の捕獲を表す石膏浮彫のフレスコ画(写真は牛の部分)
”オリーブの木のある岩の多い風景であり・・・ おそらく狩人または雄牛の跳躍者である人間の姿の一部もまた、この構図に属していました。 フレスコ画の主要部分である雄牛の頭は、・・・ミノアの自然主義の傑作です。 ・・・雄牛の疾走の苦痛、息が絶えだえになり、半ば開いた口で苦闘する様子、雄牛が追手から逃れるため、もしくは反撃さえするために見開いた目、などの迫力ある瞬間を捕らえています”。
クノッソス宮殿、北入口通路の西の砦より出土 新宮殿時代 紀元前1600〜1450年

 

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

浮彫の様子

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

柱につながれた高浮彫のグリフィンのフレスコ画 ”クノッソス宮殿の東の大広間を飾っていました。 広間の装飾には、ボクシングや牛跳びのゲームを浮彫で現わしたものや、宗教的なものを表すものなども含まれていました。 アーサー・エヴァンスによると、大階段の隣にあるこの広間は・・・公式の儀式に使用されたそうです”。
クノッソス宮殿より出土 新宮殿時代 紀元前1600-1450年

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

クノッソス宮殿、北入口通路付近の再現図

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

実際のクノッソス宮殿、北入口通路跡

 

宮殿の女性たち

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

行列のフレスコ画(一部) クノッソス宮殿、行列の回廊より出土

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

クローズアップ 腰布の細かい模様!

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

 

古典期以降

 

ここから雰囲気が一変する。

黄金の鳥のピアス ヘレニズム時代 複雑で精巧なつくり。とにかく細かい!

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

小さな神殿の形をした大理石の墓石
”亡くなった男性と彼の妻子との別れのシーンを浮彫で描いています。
男性はチュニックに上着をまとい、右手を伸ばしています。 女性は小さな宝石箱を持ち、子供はライティングボードと、アスリートが使用していた油を入れた小さな瓶、アリュバロスを持っています。 アッティカ様式同等の図像模範に従って表現されています”。
イラクリオン出土 古典期 紀元前4世紀半ば

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

ニオベの子供たちの殺害を描いた彫刻群の一部 ” 神話によると、ニオベはアポロン神とアルテミス神によって子供を殺される、というひどい罰を受けました。 なぜなら、彼女は
14人の子供がいることを自慢していたからで、一方のレトには、双子の神(アポロンとアルテミス)の、二人の子供しかいなかったからでした。
アルテミスが狩衣のいでたちで現れ、弓を引かんとする一方、ニオベは小さな娘の上に身を乗り出して娘を守ろうとしています”。
”scopas もしくは、praxiteles、どちらかの有名な彫刻家による、紀元前4世紀のオリジナル作品の複製です”。inatosより出土 ローマ時代 2世紀中頃

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

水盤を持つ女神アフロディーテ、もしくは精霊の大理石像
”・・・ 編み込んだ二つの髪束は両肩に垂れ下がり、残りの髪は首筋に留まっています。水盤は、とげの葉で飾られた円筒形の軸で支えられています”。
ゴルティスのニンファエウムより出土 ローマ時代 1世紀後期

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

優雅で美しい像。

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

ヘレニズム時代以降からギリシャの世界で信仰されていた、サラピスとイシスの群像(エジプトの神々として現わされたプルート神とペルセポネ神)
”冥界の王サラピスは穀物の計量に使う道具、modiusを頭にかぶっています。 ・・・ペルセポネ(=イシス)は、額に彼女のシンボル、すなわち三日月、太陽の円盤、およびヘビ(ウラエウス)をつけています。 彼女は右手に先史時代からクレタ島で知られているエジプトの楽器、シストラムを、左手にはおそらく犬のケルベロスをつなぎ留めていた紐を持っています。
二人の神、冥界の王とペルセポネは冥界の神々としてエジプトの象徴でありましたが、さらに冥界の守護者であるケルベロスをその群像に加えることで、そのことをより明確に表しています。
これは、シンクレティズム((宗教上の)混合主義)の典型的な例です。つまり、ヘレニズム時代とローマ時代のさまざまな宗教からなる信仰の混合と統合を表しています”。
ゴルティスのエジプトの神々の神殿より出土 ローマ時代 2世紀中期

**プルート神はローマ神話の冥界の王でギリシャ神話ではハデス神にあたり、冥界の守護者ケルベロスはエジプトでのアヌビスにあたるようである。こんがらがってくる!

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

最後に

 

フライング・エンジェルズ

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

クレタ島 イラクリオン考古学博物館

 

見学し終えて

膨大な展示物の量には圧倒されたが、一歩足を踏み入れれば、あっという間に引き込まれ、最後まで一気に見学をしてしまった、という感じである。ミノア時代の独特の宗教観や風習も興味深いが、自然と平和を愛し、オープンで明るい王国だった、という印象を受けた。交易も盛んだったとのことで、異国人にも都は寛容だったのだろう。一種の理想郷とも言えるのかもしれない。現代人の我々は、何千年もの昔の、古代人たちの生活を下に見がちだが、果たして本当にそうなのか?という疑問を突き付けられる。

そして博物館を見学し終えて、再び思考はクノッソス宮殿へ回帰する。かつて色とりどりの壁画や浮彫に飾られていた華やかな大宮殿も、今はほぼ土台を残すのみである。

あー、タイムトラベルができたらなぁー!

そう思わずにいられない。

朝から気合を入れて臨んだ、イラクリオン観光の目玉を無事制覇し、ホッとした。残念ながら、市内観光はできなかったが、まだ時間は余っている。

そうだ!

わたしは、ホテルのおじさんおすすめの、レストランへ行ってみようと思い立った。

つづく

イラクリオン考古学博物館の詳細はこちらです。

 

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