ひとり旅日記 ギリシャ

女ひとり旅日記 クレタ イラクリオンのレストラン ギリシャ旅23

いざ、レストラン”Ippokampos”へ

ホテルのおじさんにすすめられたレストランは、どれもヴェネツィア時代の要塞へ延びる道の、手前に固まっている。おじさんが印を付けてくれた観光マップを握りしめ、歩き出す。

街中の、ほぼ全ての”通り”には名前が付けられており、建物の壁にその名前が貼られている。だから、街歩きには、ホテルでもらった”通り”の名前が詳しく書き込まれた地図が、役に立つ。初めての、見知らぬ土地でも歩けるという便利なシステムである。

地図上で見れば、博物館から目的地まで直線でつないで、1キロもない。最短距離の道をたどりながら、順調に歩を進めてきたが、突如としてそれは止まった。

ハプニング!

それは、車がやっと一台通れるほどの狭い道だった。工事中の家があり、木立の生い茂る場所であった。

大きな車が走ってきたので、とっさに、わたしは身を寄せた。

こんな狭い道を、よく走ってくるなぁ

と、思わず心の中でつぶやいた矢先・・・

ガーッ!

音がして、車は突然止まった。

身を乗り出して見てみると、道路すれすれに立っている柱のようなものに、車が引っかかっている。

うわ!

運転手はあせっている。柱をやり過ごそうとするが、うまくいかない。

ま、何とかなるでしょう!

わたしは先へ進むべく、どうにかその場所を通り抜けようとしたが、車の幅は道幅にぴったりはまり込んでいて、人が通れるようなすき間はまったく見つからなかった。

困ったな・・・

そうしている間にも、後続車が来て、クラクションが鳴り始めた。

仕方がないので、来た道を引き返し、別の道を探そうと思ったが、後戻りするための退路も完全に断たれていた!!

ウソだよねぇ・・・

要するに、工事中の家のスペースに身を寄せて、車をよけたのは良かったが、そのまま車にぴたっと道をふさがれて、そこから前進することも後退することもできなくなっていたのだ。

ガァーン!

なすすべはない。途方に暮れる・・・。

こんなことって、ある・・・!?(あるんです!)

もう、笑うしかない!

後続車のお兄さんと目が合い、「やられたー!」と笑い合う。わたしは、両手のひらを上に向け、西洋風に両肩をすくめ、おどけてみせた。

幸いなことに、そこは木が密集して茂っており、木陰ができて涼しかった。裏道ということもあり、ひっそりしている。

まだ時間はあるし、ちょっと休むか・・・(今日は、朝から動き回っていたしなぁ・・・)

そんな調子で、天から降ってきた休憩タイムと勝手に称し、深呼吸などをしてゆっくりしているうちに、どうにか車は動き出し、しばらしくて、わたしも無事、閉ざされた空間から解放されたのであった。

”Ippokampos”到着

ちょっとしたハプニングもあったが、無事、博物館からヴェネツィア時代の要塞の近くまでたどり着いた。早朝とは違い、オールド・ハーバーの鮮やかなブルーが目に染みる。

とりあえず、ガイドブックに載っていた「リゴクラシ・リゴタラサ」というレストランは、すぐに見つかった。ホテルのおじさんの言う通り、欧米のツアー客たちでテーブルは見事なまでにびっしり埋まっている。

ここから”Ippokampos”を見つけるのに、少し手間取った。というのも、おじさんが地図に付けてくれた丸印がおおざっぱだったからで、見つけてみれば何という事はない。「リゴクラシ・リゴタラサ」から、歩いて1分くらいの、海沿いの道にある。(「リゴクラシ・リゴタラサ」は海沿いから少し引っ込んだ場所にあり、わたしは海沿いから一本内陸側に入った道沿いを探していたのだ。)

あ!ここだー!!

想像していたより、こじんまりとして、素朴な感じの店構えだった。お客さんは地元民が大半を占めているようで、

これはいいぞ!

と、内心、ホクホクした。やっとのことで店を見つけた喜びも、大きかった。

”Ippokampos”の屋外席

店舗自体は、海沿いの道の内陸側に建っているが、道を挟んで海側に屋外席が用意されていた。おそらく季節限定で設けられているのだろう。(訪れたのは5月19日)

 

雰囲気に惹かれて、海側の席へ行ってみたが、良い席はすでに人々で埋まっており、空いているのは道路からすぐの席で、排気ガスやほこりが気になり、断念。内陸側の店内で食事をすることに決めた。

この海沿いの道は、それほど大きな道路ではないが、それにしては車の走行頻度は低くない。道路が曲がっているので、いきなり車が飛び出してくる感覚がする。付近には横断歩道もないので、内陸側の店舗に道を渡るのがけっこう怖かった。

しかし、お店のおかみさんや、ウェイターさんは、注文をとったり、料理を運んだりの大忙しで、頻繁に道路の横断をこなしており、わたしは驚いた。いちいち、見えない道路の先から車が来ないか、などと、首をのばして立ち止まったりはしない。慣れなのか、それとも長年続けているうちに感覚が鋭くなり、いちいち立ち止まる必要もなくなったのだろうか?

オーダー&食リポ

クレタ島 イラクリオン ”Ippokampos”店内

 

初めての店で何を注文するのかは、一番悩むところだ。日本のようにメニューに写真があるわけではない。おすすめを尋ねてもいいし、周りの人と同じものを頼んでもいい。

わたしは、周りの人々が頼んでいた焼きイカを注文し、追加でビールとパンとトマトサラダを頼んだ。

日本の感覚で注文をしてしまったが、まず、運ばれてきたパンに驚き! 1エブロ(ユーロ)でこれである! 種類も豊富!(写真は少し食べてしまいました)

クレタ島 イラクリオン ”Ippokampos”

 

そして、美味しかったのが「パテ」(笑)!! 特に、薄茶色のものが、美味しくて美味しくて止まらなくなった。もう、無限にパンが食べられる感じである。あやうくパンでお腹がいっぱいになるところであった!(まだメインが来ていないのにー!)

クレタ島 イラクリオン ”Ippokampos”

 

メインの焼きイカ!こんがり焼きたて、おいしかった!

クレタ島 イラクリオン ”Ippokampos”

 

巨大トマトサラダ! トマト大2個分はあるだろう。きゅうりも1本分は盛ってある。

クレタ島 イラクリオン ”Ippokampos”

 

美味しかったが、とにかく、量が多かった。これは間違いなく、2人分以上だろう。サラダに関しては3~4人分かな(汗) やはり、海外での外食においては、注文時に量を確認し、場合によっては量を減らしてもらうよう(ハーフサイズなどに)お願いすべきなんだな、と今さらながら思うのであった。

しかしながら、すばらしいレストランの一つであることには間違いがない。ブログを書くにあたって、改めてグーグル検索をしてみたが、評価は高く、料理の投稿写真も豊富でどれも美味しそうであった。スマホが使えれば、写真を指さして注文もできるかもしれない。ホテルのおじさんに”感謝”である。

つづく

レストラン”Ippokampos”の詳細はこちらです。(グーグルマップ付)

 

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