ひとり旅日記 ギリシャ

女ひとり旅日記 エピダウロス 遺跡見学を終えて ギリシャ旅153

遺跡見学を終えて

スタジアム見学を終えたところで、無事、エピダウロスの遺跡見学は終了した。しかしながら、広大な遺跡ゆえ、一つ一つを丁寧に見ていくことは難しい。よって事前に、興味のある遺跡、見逃したくない遺跡をピックアップし、目星をつけておくと良いだろう。

とは言え、現地に立つと、広大な面積に建物の土台跡のみが、ゴロゴロ広がっていて圧倒される。もはや、展示ボードなしには、それらがどのような建物で、どのような役割を担っていたのかなど、全くわからない。

現地の展示ボードは、ギリシャ語/英語のみの表記なので、事前に、ある程度、興味のある遺跡については調べておくのが得策であろう(もちろん、展示ボードのない遺物もたくさん残されている)。

しかしながら、そのような中でも、保存状態の良い劇場や、部分的に復元されたヘスティアトリオン(ギムナシオン)のプロピュライア(正門)、アバトン(聖なる仮眠所)、トロスが、この広大なエピダウロス遺跡の中では、最も目を引き、最も人気があり、最も重要な場所のように感じた。

神殿については、土台のみが遺跡の原位置に保存されているが、エピダウロス考古学博物館で、部分的に復元されたものや、建物に付随する装飾(彫刻の一部、コピーも含む)を見学できる。

暑さについて

また、実際に現地を訪れたのは、ミドル・シーズンと言われる5月末であったが、もはや暑さは真夏そのものであり、熱中症対策は必然であった。

緑多いエピダウロス遺跡は無風で、暑さはハンパなく、それでも目の前にドーン!と広がるカラッカラの日干し状態の遺跡を歩き続けた。一面の熱、光…。その中を歩いている人はいない?、いやいや、この広い遺跡の中に数人いた。劇場では多くの人を見かけたが、カタゴゲイオンより北に広がる広大な遺跡においては、それらの人々は、一体どこに行ってしまったのだろう、と思うほど、散り散りばらばらになってしまったようだった。

あぁ、みんな、よく(暑さで)倒れないな…

人間は強い、と、のん気に感心しながらも、いくつもの遺跡を巡ることは、本当に苦行であった。しかしながら、一面に広がる廃墟の中、時代の違う建造物が隣同士、肩を並べている様子に感心したり、また、ここはエピダウロス遺跡の中でも外せない、という強い思いが作用して(?)、わたしは、とうとう暑さで無心となり(笑)、次から次へと足を動かし、その都度、マメに写真を撮りながらも、無事、遺跡見学をこなすことができたのだった(しかしながら、後で、アスクレピオス神殿跡の見学を失念していたことに気づき…、涙💧)。

見納めに…

さて、一通り、遺跡見学が終わった後、わたしは、最後にもう一度、あの大劇場を見たくなった。遺跡見学のオオトリを飾るにふさわしい、今もなお現役の、すばらしい遺跡である。

最初に訪れた際には、人がたくさんいて、小学生の遠足とも重なり、ガヤガヤとにぎやかであったが、午後もだいぶ過ぎると、ほぼ人の姿はなく、静かであった。

これなら、音響効果が聴ける!と、心が沸き立ったが、いやいや、音を出してくれる人がそもそもいない、ということに、遅ればせながら気づいた。

苦笑しながらも、階段を途中まで上がり、劇場のスケールの大きさに、ふたたび感動するも…

あっ! Cさん…

エピダウロス遺跡

 

なんと、観客席の中腹に、一人ポツンと座っている「Cさん」を、わたしは発見したのだった。遠目であったが、間違いなくCさんであった。ほぼ、誰もいなくなった劇場で、日陰に入ることもなく、太陽の熱射をものともせず、一人静かに客席に腰掛け、感慨深げに劇場をじっと見下ろしている姿が、一見、物静かで穏やかな、しかし、その内側には強靭な精神を秘めた、実にCさんらしい姿だな…と思った。

エピダウロス遺跡

 

つづく

冒頭写真:劇場、エピダウロスにて

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