ひとり旅日記 ギリシャ

女ひとり旅日記 ロードス島 カミロス遺跡 ギリシャの旅52

” ”内は遺跡内の展示ボードより、一部、引用し和訳したものになります。

入場

バスを降りると、すぐ左手に遺跡の入り口が見えるので、迷うことはない。(遺跡の入り口の真ん前で、バスは停まってくれた)

ロードス島 カミロス遺跡

 

入り口で入場料を払い中へ進むと、右手に丘陵の斜面が広がっている。その斜面は頂上まで遺跡で埋め尽くされており、ちょうど、それを見上げるような感じになる。

旅行前にカミロス遺跡のことをネットで調べたところ、見学の価値は(もちろん)大ありだが、「トイレは長蛇の列」とコメントがあった。が、朝一のバスだったのと、ハイシーズンを避けたのが良かったのか、見学者は非常に少なく、トイレも待つことなく入れた。

ただ、某ガイドブックに書いてある”現地ガイド”はどこにもいなかったので、ある程度、自分で調べて、ロードスタウンの考古学博物館でカミロス遺跡関連の展示物を見ておくと良いだろう。(現地ガイドがいたとしても、日本語がOKかわからない)

見学開始:アゴラと周囲の聖域

古代都市カミロスは、ドーリア人によって築かれたロードス島の古代三大都市の一つ。

カミロス遺跡 展示ボードより

 

丘陵の斜面上にある遺跡は、頂上にアクロポリス、その下に居住地、さらにその下にアゴラがある。そして、その中央をメインストリートが貫いている。(詳細はこちらへ)・・・なので、遺跡に入るとまず、アゴラ(とアゴラ周囲にある聖域)が視界に入ってくる。

アゴラからアクロポリスにかけての写真が展示ボード(下記)にあったが、左上の列柱は、今はない。

 

アゴラからの街の概観。後ろに見えるのは、イタリア人によって再建されたアテナ聖域の柱廊玄関(ポルティコ)の柱です。

カミロス遺跡 展示ボードより

 

 

 

アゴラ(7)(と周囲の聖域)の地図
I.アポロン神殿
II.すべての神々に捧げられた聖域
III.神々と地元の英雄に捧げられた祭壇のある聖域
IV.初期のキリスト教時代の家

カミロス遺跡 アゴラ地図 展示ボードより

 

 

アゴラ
カミロスのアゴラは、丘の中腹を平らにならすことによって形成された人工台地に広がっています。

台地の西側には(恐らく)アポロン神に捧げられた、ドーリア式の神殿があります。 神殿の内陣には、奉納品が投げ入れられた穴(くぼみ)の中に、彫像の台座や宝庫が保存されています。

アゴラ中央部の、使われなくなった古典期後期の貯水場の敷地に、屋外の聖域が建設されました。聖域は貯水場の列柱で区切られた2つの広場で構成されています。・・・多数の奉納品の台座の碑文から推測されるように、聖域はすべての神々に捧げられました。

アゴラの北東部には、壁に囲まれた第二の野外聖域(ペリボロス)がありました。碑文から明らかなように、そこには3つ並びの・・・祭壇があり、田園の神々や地元の英雄に捧げられていました。一番大きな祭壇は、ロードスの守護神であるヘリオスに捧げられました。

 

すべての神々に捧げられた聖域、「Ⅱ」

ここは、上記地図によると「Ⅱ」、貯水場に建設されたすべての神々に捧げられた聖域にあたるようだ。

カミロス遺跡 ファウンテン・スクエア

 

上写真の左側部分。石碑・台座が壁際にずらりと並んでいる。

カミロス遺跡 ファウンテン・スクエア

 

上写真の人物の後ろ辺りにある石碑群。

カミロス遺跡 ファウンテン・スクエア

 

その中の一つ。

カミロス遺跡 ファウンテン・スクエア

 

クローズアップ。

カミロス遺跡 ファウンテン・スクエア

 

台座。どのような像が設置されていたのだろう? 碑文の葉っぱのマークが印象的。

カミロス遺跡 台座の碑文

 

損傷の激しい石碑。

カミロス遺跡 石碑

 

円柱の台座。右足を一歩、前に踏み出した像が設置されていたことがわかる。

カミロス遺跡 台座

 

中央奥の列柱。

カミロス遺跡 ファウンテン・スクエア

 

聖域の左奥にある石群。これが何なのか知りたかったが、説明のボードはない。残念。

カミロス遺跡 ファウンテン・スクエア

 

アポロン神殿、「Ⅰ」

アポロン神殿正面の復元図 (展示ボードより)

 

ここが、上記地図によると「Ⅰ」、アポロン神殿にあたるようだ。遺跡前には「ドーリア様式の神殿 紀元前2~3世紀ごろ」と書かれた案内がある。

カミロス遺跡 アポロン神殿

 

カミロス遺跡 アポロン神殿

 

田園の神々と英雄に捧げられた祭壇のある聖域、「Ⅲ」

ここは、上記地図によると「Ⅲ」、田園の神々と英雄の聖域にあたるようだ。

カミロス遺跡 神々と英雄の聖域

 

ここは、左手に聖域を見ながら、階段を登るようになる。聖域の向こう側は木と海しか見えないが、写真右奥へ進んでいくと、小浴場を上から見ることが出来る。

カミロス遺跡 神々と英雄の聖域

 

ここの階段を登る前に、半円形のエクセドラも見よう。

カミロス遺跡 エクセドラ

 

テルマエ(小浴場)

階段を登り「Ⅲ」の聖域を過ぎると、小浴場跡がある。

カミロス遺跡 小浴場跡

 

 

テルマエ(浴場)
ローマ時代の2つの浴場が住宅地に保存されています。「大浴場」はアゴラの南、保存状態は良いがはるかに小さい「小浴場」は、メインストリートのスタート地点にあります。

入り口には小さなアトリウム(水盤のある広間)があり、・・・狭い廊下へと続いていました。廊下からすぐに浴室:冷水浴用のフリギダリウム、微温浴用のテピダリウム、高温浴用のカルダリウムがありました。カルダリウムの隣には、金属製の大釜で水を熱するために火を焚いた・・・プレフルニウム(炉)がありました。カルダリウムとプレフルニウム(炉)を隔てる壁に通したパイプで、お湯を浴槽に入れました。

生成された熱気は、カルダリウムとテピダリウムの床の下を循環し部屋を暖め、壁に組み込まれた粘土製の通気口を通って抜けていきました。3部屋の浴槽の水は、三角形の貯水槽からパイプで供給されました。

 

カミロス遺跡 ローマ浴場のしくみ

 

小浴場跡では、熱い空気を床下に通し部屋を暖めるために設置された、床下の柱を見ることができる。

カミロス遺跡 小浴場 床暖房の床下の柱

 

はじめは茶色い浴槽だと思っていたが、展示ボードによると、これはどうやら三角形の貯水槽のよう。

カミロス遺跡 小浴場跡

 

ズームアップ

カミロス遺跡 小浴場跡

 

貯水槽の石壁がきれいにコーティングされていた様子がわかる。

カミロス遺跡 小浴場跡

 

つづく

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