ひとり旅日記 ギリシャ

女ひとり旅日記 ロードス島 お世話になった人 2 ギリシャ旅50

ホテル・エルメスのニコス

ホテルMoschoから、ホテル・エルメスへ帰ってくると、主人のニコスが、いつものように

ヤース、〇〇〇!

と、明るく声をかけてくれた。わたしは部屋のカギを受け取りながら、そういえば、いつも朝には彼の姿が見えないことを思い出した。明日はいよいよロードス島を飛び立つ日・・・。

「明日の朝、ここにはいないよね?」と、ニコスに尋ねてみると、「いないよ」と言う。「じゃあ、明日はロードス島を発つ日だから、会うのは今日が最後になるね・・・いろいろ、ありがとう!!」とお礼を述べた。

すると、ニコスは「明日はどこに行くんだね?」と尋ねてきた。「カミロスに行く」と答えると・・・

えぇっ!? ハルキ島に行くのかい?!

いつも温和で落ち着いた雰囲気のニコスが、心底ビックリした顔をしたので、わたしは笑いをこらえることができずに、あわてて「違う、違う!(笑)」と否定した。

ハルキ島と言えば・・・そう、作家の村上春樹が「カミロスから、船でハルキ島へ渡った」と本(遠い太鼓)に書いていたのを思い出した。なんでも、自分と同じ名前の島に魅かれたという理由だったが・・・。

つまり、単に「カミロス」と言っただけでは、ここ、ロードス島では、遺跡を意味しないらしい。

「違う、違う!古代の町だよ!(笑)」と言うと、「あー!オールド・カミロスねぇ!!」と、彼は大きくうなずき、納得したようだった。

それから程なくして、ニコスは余裕を取り戻すと・・・

「実は、ボク、車はHONDA派なんだよね、でもさ、まあ、明日にでも、SUZUKIを買ってみようかな~」

と、(わたしの名字をかけた)冗談を言って、最後は笑いでわたしを送り出してくれた。ニコスがそんな冗談を言うのも、意表を突かれて面白かったけれど、同時にツラくもあった。

まだ、旅は半分以上残っており、これからもいろいろな出会いと別れを経験する・・・予定・・・。

ホテル・エルメス Xさん

翌朝、気分を一新し、受付に立った。ニコスと入れ替わり、若い女性Xさんがチェックアウトを対応してくれた。彼女が料金の内訳を教えてくれたが、利用したFAXが含まれていなかったので、その旨、申告すると、「あ、そんなのいいよ」と言う。しかし、なんとなく気が収まらず、結局、請求をしてもらった。

それから、わたしは最後に、彼女にギリシャ語をちょっとみてもらえないかと願い出た。彼女は快く引き受けてくれた。

バスの中のシチュエーションで、「運転手に『そこに着いたら教えてください』というのは、ギリシャ語でこう言えばいいのか?」とグーグルで調べたギリシャ語を言ってみた。旅行前に図書館でギリシャ語初心者の本を借りてみたが、こういった例文は載っていなかったし、だからといって、グーグル翻訳を頭から信用することは危険であった。

ロードス島を発った後は、ギリシャ本土を縦横無尽に走るバス旅が待っている。長距離・短距離も含め、バスがいよいよ主要な交通手段となるため、この辺で確認をしておく必要があったのだ。

わたしがギリシャ語を言い終わると、彼女は顔を輝かせて・・・

パーフェクト!!

と、まるで自分の事のように嬉しそうに言った。そして、わたしがどうやってギリシャ語を学んだのかを、知りたがった。

「学んだ」などとはとても言えない、ザックリと単語を暗記しただけで、赤面してしまうが・・・それでも、無邪気に喜ぶギリシャの人々を見ては、こんなに喜んでもらえるんだ・・・と新鮮な感動を覚えるのだった。

それから、彼女にお礼を言い、ホテルを後にしたわたしは気持ちを切り替え、まっすぐバスターミナルへ向かった。

つづく

現地で、単に「カミロス」というと、遺跡とは別の場所を意味します。遺跡の場合は、頭に「古代(ancient)」を付けると間違いないです。(オールド・カミロスでも通じると思います~

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