ひとり旅日記 ギリシャ

女ひとり旅日記 テサロニキ 考古学博物館見学 7 ギリシャ旅83

◆館内の展示ボードと写真を中心に、膨大な展示の中から、個人的に惹かれたものを紹介します。一部、ガラスの反射で写真が見にくくなっています。ご容赦くださいませ。

オリンポス十二神

オリンポス十二神は、特に、マケドニアで崇拝されていました。
マケドニア人の神聖な都市、ディオンは、ゼウスにちなんで名付けられました。
癒しの神アスクレピオスや、冥界の王ハデスの崇拝も一般的でした。ヘラクレスはマケドニアで、全ギリシャ人から英雄として崇められていただけでなく、王朝の祖先としても崇拝されていました。

展示ボードより一部引用/和訳

名前の響きから、ディオンは酒の神、ディオニュソスの名前に因むのかと思い込んでいた。

 

神々に捧げられた浮彫彫刻

テサロニキ考古学博物館

アスクレピオスと彼の娘ヒュギエイアに捧げられた浮彫彫刻(左)
出所不明
紀元前4世紀ごろ

ディオニュソス神に奉納された浮彫彫刻(右)
テサロニキ、sarapeion 2世紀ごろ

展示ボードより一部引用/和訳

 

…農業の女神デメテルは、多くのマケドニアの都市で崇拝されていました。デメテルに捧げられた重要な神殿は、ペラ、ディオン、galepsos、アンフィポリス、レテで発見されています。

テサロニキ考古学博物館

デメテルの重要な神殿は古代都市レテの近くにありました(テサロニキの北、デルヴェニにあります)。そこでは、女神は母として、処女として、2つの側面で崇拝されていました。この神殿では、都市の名前、レテの由来となったレトの娘、アルテミスも崇拝されていました。

展示ボードより一部引用/和訳

 

手水のための水盤

テサロニキ考古学博物館

浄化と清めの象徴的な行為として、参拝者が聖域に入る前、手を洗うために使われました。
デルヴェニ(古代レテ)の聖域にて

展示ボードより一部引用/和訳

 

その土地の神々と英雄

マケドニア人は、また、ヴェルギナのエウクレイア(名声の神)、カヴァラのパルテノス(処女神)、テサロニキのippalkmosとkaveiros、パンガイオンのauloneitis、そしてペラのアレキサンダー大王の親友である、神格化されたヘファイスティオン、などの、その土地の神々や英雄を崇拝しました。

展示ボードより一部引用/和訳

 

英雄ヘファイスティオンに捧げられた浮彫彫刻

テサロニキ考古学博物館

ディオゲネス(おそらくアレキサンダー大王の軍隊の古強者)によるもの。
ペラ 紀元前4世紀後半ごろ

展示ボードより一部引用/和訳

 

浮彫が施された石板

テサロニキ考古学博物館

漁師が描かれています。(魚の入った入れ物と天秤を持っています)
碑文には、英雄アイネイアースの宗教団体(synetheia)の記載が
あります。

これはもともとアイネイア(現代のnea michaniona、今日でも釣り場として知られている)からの移民によって設立された可能性があります。
西暦125〜126年

展示ボードより一部引用/和訳

 

音楽

音楽は、さまざまな祝祭、酒宴、礼拝、結婚式、劇場、戦争、そして死に欠かせないものでした。
若い男性の育成に、音楽はなくてはならないものと考えられ、教育の重要な部分を占めていました。

私たちは古代ギリシャ音楽について直接の知識を持っていません。 私たちの唯一の情報源は、古文書、壺や浮彫に描かれた楽士や踊り手の絵、音楽理論に関する文章、そして記譜法(きふほう)の碑文です。

展示ボードより一部引用/和訳

 

墓石の音符

記譜法(きふほう)の数少ない現存するサンプルの1つ。
明確でわかりやすい文字は、意味のある単語を形成しないため、次のような音楽記号である可能性が高いと考えられています。

テサロニキ考古学博物館 展示ボードより

vrasna、テサロニキ 紀元前3世紀ごろ

展示ボードより一部引用/和訳

 

楽器

管楽器

テサロニキ考古学博物館 展示ボードの絵より

フルートは、古代ギリシャで最も重要な管楽器でした。…
宗教的な儀式、行列と供儀(くぎ)、演劇、酒宴、そしてほとんどの踊りに欠かせないものでした。
また、漕ぎ手の櫂(かい)の動きや、兵士の行進の調整にも使われました。

テサロニキ考古学博物館

神話は私たちに語ります…
フルートは女神アテナによって発明されました。
しかし、フルートを演奏すると、自分の顔がゆがむのがわかり、彼女はそれをフリュギアに捨てました。そこでサテュロスのマルシュアースがそれを見つけたのです。

展示ボードより一部引用/和訳

女神アテナの、呪われたフルートを拾った半人半獣の森の精霊マルシュアースは、後に音楽の神アポロンとフルートで音楽対決をするも敗れ、罰として殺されてしまう。

フリュギアは今のトルコにあった王国。

弦楽器

テサロニキ考古学博物館 展示ボードの絵より

リラとキタラは、古代ギリシャで最も重要な弦楽器でした。それらは音楽の神アポロンと密接に関係していました。

リラは清らかで心安らぐ音色を持っており、主に、子供たちの音楽の指導や、屋内での親睦会で使用されました。

テサロニキ考古学博物館

神話は私たちに語ります…
リラはヘルメスによって発明されました。彼は亀の甲羅を取り除き、牛の内臓から作った弦を付けました。それからアポロンの牛を盗みだしたヘルメスは、ゼウスに不平をもらしたアポロンをなだめるため、贈り物としてリラを彼にあげました。

キタラは、野外行事や音楽コンクールで演奏したような専門家たちによって演奏されました。

展示ボードより一部引用/和訳

 

つづく

冒頭写真:「英雄ヘファイスティオンに捧げられた浮彫彫刻」の拡大写真(部分)

 

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