コリントス市内へ
イスモスのバス・ステーションから、何とか無事に、コリントス市内行きバスに乗れたものの、次なる問題は「どこでバスを降りるか?」だった。
とりあえず、ホテルからあまり遠くない場所に、目印になりそうな公園があったので「ペガサスの公園に行きたい」と、バスの運転手さんには言っておいた。
野犬から逃れた安心感も重なり、バスの中では気が抜けてボンヤリしていたが、車窓の景色はすぐに街中の風景に変わり、わたしはいつでもバスを降りれるよう、心の準備をした。
案の定、しばらくすると、人々が次々と降りていくバス停があった。わたしはハッとして…
ここで降りればいいの?
…と運転手さんに合図すると、彼はうなづいた。
目印の公園は海に接しているはずだったが、海は見えず、公園のかなり手前でバスを降りてしまう気もしたが、何となく人につられて下車した。
町の第一印象
そこは、比較的幅の広い、混み入った道であった。建物の壁に貼り付けられた通りの名前と地図を照合しつつ、何とか道をたどろうとしたが…
エーゲ海の島を思わせる、美しいナフプリオンから来たわたしの目の前には、古ぼけて無機質な建物、ガレキ、落書き、空き地…が広がり、ただただ驚くばかりだった。
また、碁盤の目のように道が走っており、油断すると、どこも同じように見えて、自分がどこにいるのかわからなくなりそうだった。
とりあえず、方向を定めるため、ペガサスの公園の位置を確かめることにした。
通称でOK?!
ガイドブックで公園の正式名称を調べ(ベニゼル広場)、近くにいた地元の若い女性に場所を尋ねてみたが「わからない」とのことだった。
しかしながら、念のため、ガイドブックの写真を見せると「あ~!ペガサスの公園ね~! っていうか、ここじゃ、誰もベニゼル広場なんて言わないけど…?」などと言われてしまった。
彼女は、公園の名称を初めて聞いたらしく、本当に何も知らないようだった。結局、名前がわからず、適当にバスの運転手に「ペガサスの公園」と言っていたのが良かったらしい。
公園の位置がはっきりしたところで方向も定まり、無事、ホテルは見つかった! バス通りに面したホテルで、遺跡行きバス停にも近くグッドプレイス!
ホテル周辺は、お店や高いビルディングも並び、それなりに街中(まちなか)の雰囲気にあふれていた(どうやら、最初にバスから降りた場所は、町はずれの可能性が高かったのかもしれない)。
嫌な予感…
実はこの日、朝起きた瞬間に違和感があった。目覚めた時に「しまった!」と、後悔の念が湧き上がっていた。ついつい「暑いから」といって冷房の温度をゆるめずに、そのまま朝までグッスリ眠り込んでいたのだった。
悪寒がして、喉が痛い…
とりあえず、手持ちのパブロンを朝服用するも、いまいちの効き目…、よって、この日は、遺跡行きのバス停を確認した後、大人しく、早めに就寝した。
冒頭写真:ベニゼル広場のペガサス像(通称:ペガサスの公園)