ひとり旅日記 ギリシャ

女ひとり旅日記 テサロニキ市内 夕方さんぽ ギリシャの旅60

フォロロマーノ(古代アゴラ)

エグナティア通りを中央市場方面に歩き、途中で、海とは反対側に曲がる。その先の坂上(さかうえ)に、アギオス・ディミトリオス教会はあるのだが、教会に行きつく前に、急に視界が開け、広々とした敷地が目の前に広がった。何かと思えば、ローマの古代都市の遺跡である。街中に、突然現れるサプライズである。

テサロニキ フォロロマーノ(古代アゴラ)

 

遺跡の広大な敷地は鉄柵でぐるりと取り囲まれ、残念ながら、中に入ることはできなかった。外側から見るのみだが、望遠鏡があれば、さらに良かったかもしれない。柱廊やアーケードなどが見え、アーチ型の部分に、古代ローマ建築の特徴がよく表れていた。

テサロニキ フォロロマーノ(古代アゴラ)

 

遺跡全体の図。右側の扇状のものは、オデオンである。

テサロニキ フォロロマーノ(古代アゴラ)の図

 

見学はおあずけ

この遺跡を越えて、坂道を登って行けば、アギオス・ディミトリオス教会だ。教会が開いていれば、地下聖堂の見学はできるもの、と思い向かっていたが、実際、教会にたどり着くと、大勢の人々が集まってきており、これからミサが開かれるような、何か独特の雰囲気があった。そんな時に、一人、観光目的で教会に入っていくのは、まったくの場違いであろうことが、その場の空気から伝わってきた。

何を言われたわけではないが、見学は後日に延ばすことにした。

帰りは、行きとは反対側の道を通って、別の方角から遺跡を見て帰ることにし、小型のオデオンを見ることができた(冒頭写真をご覧ください)。いつのまにか薄暗くなり、灯がともり始めていた。

テサロニキ フォロロマーノ(古代アゴラ)

 

再び、エグナティア通り

こうしてエグナティア通りへ戻ったころには、辺りはすっかり暗くなっていたが、この大きくて広い道をまちがえることは決してなかった。つい数時間前までは、この街自体に、恐怖と居心地の悪さを感じていたのだったが、この通りにホテルがあることで、わかりやすく便利で良かった、と親しみを感じるまでになっていた。

テサロニキ エグナティア通り

 

明日は、ヴェルギナへ行く。今から外食する気にはならず、腹ごしらえは簡単に済ませて、早く休みたいと思った。通りを歩いていると、パン屋さんを発見した。もうすぐ店じまいなのだろう。ケースの中のパンは残り少なかった。わたしは、適当にお惣菜パンを選び、その日の夕食にすることにした。

テサロニキ エグナティア通り

 

テサロニキ エグナティア通り

 

つづく

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