ひとり旅日記 ギリシャ

女ひとり旅日記 テサロニキ ギリシャ一の米どころ ギリシャ旅61

一夜明けて

テサロニキ、初めての朝を迎えた。天気は晴れ

実は、エグナティア通りに面しているホテルなので、夜、通りの騒音はどうかと思っていたが、全く大丈夫であった。(夕方チェックインした際、部屋の中は静かに保たれていたので、防音対策はされているのだろうとは思っていたが、完璧であった!)

テサロニキ ホテル:エル・グレコ 室内の様子

 

タクシー

朝食を簡単に済ませた後、昨日チェックしておいたタクシーのりばへ直行。タクシーに乗り、運転手に行き先(マケドニア・バスターミナル)を告げると、「どこに行くの?」と尋ねてきた。ヴェルギナに行くのだ、と答えると「ねえ、そこまで乗っていかない?」と彼は冗談を言って笑った。

テサロニキ市内 タクシーの車窓より

 

途中、記念にと思い、車中から通りの写真を撮っていたら、「あ、写真撮ってるの?」と彼は運転中にもかかわらず、横顔を突き出してポーズを取ろうとした(!!)。当時、わたしは意味がわからず、「危ない、前見てー!!」と内心、ヒヤヒヤしたものだったが、それは彼なりのジョークだったのである。

テサロニキ タクシーの車窓より

 

エグナティア通りを抜け、ぐんぐん走っていくと、途中でなんとも寂しい(さびれた)道へ車は左折した。抜け道なのか・・・とも思ったが・・・、

こんな寂しい場所に、マケドニア・バスターミナルがあるのだろうか?!

ヒヤッと冷たいものが背中を走り、人気(ひとけ)のない場所へ連れていかれてしまうのではないか、と不安になったが、しばらくするとバスターミナルが見えてきたのだった。

ホッ!!(疑ってごめんなさい)

ギリシャの各都市間を結んでいる、バスの大ターミナルは、街はずれにあったのだ。わたしは、小さな額であったが、おつりも気持ちとして運転手さんにお支払いした。最初、彼は「ちょっと待って」と、あわてた様子だったが、気持ちだと伝えると納得してくれた。

バス旅のはじまり(ヴェルギナへ)

こうして、出発の40分くらい前には、マケドニア・バスターミナルに着いた。チケットを買い、ヴェリア行バスのりばで待機(※)。バスは時間通りに来て、無事、テサロニキを出発することができた。(※ヴェリアまで行ったら、ヴェルギナ行のバスに乗り換えます)

マケドニア・バスターミナル ヴェリア行乗り場の看板

 

実を言うと、往きのバスの乗り継ぎは完璧であったが、帰りの乗り継ぎがいまいちであった。旅行前にネットで調べたところ、なぜか、帰りは往きと異なる経路となり、アレキサンダという場所を経由する、時間のかかるものになってしまうのである。なんとなく釈然としないものがあったが、ここまでくれば「もう、やるっきゃない!」というノリになっていた。

ここは日本じゃない

30~40分もバスで走ると、ゴミゴミとして小汚く、あれだけ空気も汚染されていた街が消え、緑の野が広がってきた。そして、しばらく走るうち、その風景は現れたのである。

テサロニキ バスの車窓より

 

テサロニキ バスの車窓より

 

えっ、田んぼ?!

テサロニキ バスの車窓より

 

あぜ道で区切られた四角い区画に水がはられている。これは、間違いなく田んぼだろうと思ったが、しかし、ここは日本ではない。ギリシャである。再度、よ~く目を凝らしてみたが、やはり田んぼに間違いないと思った。

まさかである!

まさか、テサロニキ郊外で田んぼを見かけるなんて!!

テサロニキ バスの車窓より

 

予想外のことで本当に驚いたが、しかし、冷静に考えてみると、今まで米料理を何の疑問も抱かずに食べてきたことを思い出した。ドルマーデス(米などが中に入った、ぶどうの葉包み)やスタッフド・ベジタブル(ピーマンの中に米が入っている)、リゾットなど・・・。そう考えると、ギリシャ人も普通に米を食べる人たちなのだと思いあたった。

それに、テサロニキは本土の北部に位置し、島(ロードス島を除く)とは違って緑豊か、水も豊富なのだろうと思った。そしてバス走行中に、ギリシャに来て初めて川を見た。それも3度も。

おぉ、川だ!!

思わず、心の中で叫んだ。なんて水が豊富なのだろう、と。

テサロニキ バスの車窓より

 

灼熱の太陽に焼かれ続けた、緑少ない島々の旅行を、つい先日終えたばかりのわたしの目には、本当に感動的な光景だった。

つづく

冒頭写真:バスの車窓より、赤いポピーの花々と田んぼ

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