ひとり旅日記 ギリシャ

女ひとり旅日記 テサロニキ 無事、チェックイン ギリシャの旅59

エグナティア通り

ディモクラティアス広場の交差点に入り、エグナティア通りへ右折するのに、もう一人、女性に道を確かめた。親切にも、彼女も道の途中まで付き添ってくれ、方角を教えてくれたのだった。テサロニキの街に対する恐怖は、こうして親切な人々のおかげで、だいぶ小さくなっていった。

(後から考えてみると、予約したホテル:エル・グレコは、ディモクラティアス広場の交差点よりも中央市場寄りにあったため、やはり、バス停は「IKA」の一つ前で降りるべきだったようだ。そうすれば、広場の交差点を回避でき、高濃度の排気ガスを吸わなくて済んだだろうと思われる)

とにかく、何とか、ホテルのあるエグナティア通りへたどり着くことができ、わたしは一息つくことができた。あとは、まっすぐ伸びるこの道の、ホテルの看板を見逃さないよう、注意深く歩けばよい。

・・・しかしながら、わたしは目の前に広がる街の汚さを見て、改めて愕然とするのであった。つい、数時間前まで、エーゲ海に囲まれた島の空気を吸っていたとは思えなかった。2車線の道路には絶えず車が走り続け、道の両側には、排気ガスに汚染されたビルが並んでいた。その中に、わたしのホテルはあるのだった。

歩道にもたくさんの人々がいた。特に、テサロニキ市内を走るバス停の周りには、列に並びきれない人たちが通路にあふれていた。顔・顔・顔・・・たくさんの人の顔が、狭い空間に鈴なりに並んでいるのを見ていたら、なぜか、すこし怖くなってきた。環境が大きく変わったせいだろうか・・・?

ホテル:エル・グレコ

そうこうするうちに、複数のホテルの看板が見え始め、そして、ついに、エル・グレコの看板が現れた。と、同時に驚いた!! なんと、予想に反し、並びのビル群の中では、比較的きれいで新しい、近代的な外観だったのだ。正面にはガラス張りの回転ドアがついており、しゃれた造りになっていた。ブッキング・コムで数日前に予約した、中堅クラスのホテルだったのだが、いい予感がした。

フロントは明るい白で統一され、その横には宿泊客が自由に使えるパソコンがあった!!予約した部屋は8階ほどの、地上から高いフロアにあり、シンプルな造りであったが、設備は良好で問題はなかった。

ただ、ホテルの従業員はとても忙しそうで、会話をするような余裕はなく、とても素っ気ない感じであった。

とにかく、明るいうちにチェックインができ、ホッとした。少し休んだあと、私は軽装に身支度を整え、外出するべく階下へ降りて行った。日本ならば、とっくに日が沈み暗くなっている頃だったが、ヨーロッパは日が沈むのが遅い。これは、とてもすばらしいことだった。

下調べ

まず、わたしは、翌日のヴェルギナ行きに備え、マケドニア・バスターミナル行きのバス停を確認しようとした。フロントに教えてもらったバス停はすぐに見つかったが、不思議なことに、バス停に時刻表は見当たらなかった。電光掲示板に地名が表示されているようだったが、とてもわたしには理解できそうになかった。

そこで、タクシーのりばを教えてもらうと、エグナティア通りを2,3ブロック左へ行った先にあった。マケドニア・バスターミナルへは、タクシーで行くことに決めた。それから、最寄りのスーパーで買い物をし、いったん部屋へ戻ったが、まだまだ外は明るかった。

そこで、アギオス・ディミトリオス教会の地下聖堂へ行ってみよう!と思い立った。

つづく

冒頭写真:アギオス・ディミトリオス教会近くの、聖具販売店のショウ・ウィンドウ

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