ひとり旅日記 ギリシャ

女ひとり旅日記 テサロニキ ヴェルギナ日帰り旅6 ギリシャ旅67

※ギリシャ人女性Yさん・・・ヴェルギナへ向かう途中、バス乗換え駅:ヴェリアで出会い、道連れとなった。

ギリシャ人女性Yさんの夢

Yさん:実はね、わたし、家で民宿やってみようと思ってるの。息子2人は(成人して)家を出たしね。

わたし:すごい!

以前は、税金関係のキツい仕事をしていたが、これからは心機一転、新しいことに挑戦してみたい、と彼女は言うのだった。彼女がこう宣言した時点で、これはもう、ただの夢ではなくなっていた。現実世界を動かしていく、何か目に見えない流れができつつある・・・そう感じさせるほど、Yさんは、とてもパワフルな人だった。

さあ、テサロニキへ(帰りのバス)

帰りのバスは空席があったので、Yさんと2人並んで座ることができた。帰りも同様に「ヴェリア」でバスを乗り換え、テサロニキに向かう。以前、述べた通り、帰りの「ヴェリア~テサロニキ間」は、バスの便を事前に調べた結果、行きとルートが異なっていたので、気になっていたのだが、Yさんとの話に夢中で、すっかり忘れていた。何の問題もなく、行きと同様、スムーズにテサロニキに帰りついたように思うが、まあ、ルートが変わり、停車駅も増え、余計に時間がかかっていたとしても、Yさんのおかげで時間を短く感じていたのかもしれない。

Yさんとの話

テサロニキに着くまでの2時間近く、Yさんとはどんな話をしていたか・・・Yさんからは、まず、日本からギリシャまでのエアチケットの値段や、その時泊まっていたテサロニキのホテル、エル・グレコの様子などをきかれた。多分、民宿をするにあたっての、参考にしたいのだろう。

さらに、テサロニキ市内のどこを観光する予定か、ときかれた。答えると「うん、考古学博物館はMUST(絶対行くべき)よ!・・・でも、教会の地下聖堂は・・・大したことなかったわ」と言っていた。わたしは、彼女の率直さに感心した。そして考古学博物館の見学は、ギリシャ人Yさんの太鼓判を得て、さらに楽しみになったが、地下聖堂に関しては意外な意見として鮮明に記憶に残った。というのも、ある旅行記に地下聖堂は「神秘的でとても良かった」と熱っぽく書かれており、わたしも(見学してもいないのに)そう思うようになっていたからだった。しかし、Yさんの登場で面白いことになってきた。人それぞれ感じ方は違う。一体、わたしはどう感じるのか、博物館とは違う意味で興味がわいてきたのだった。

わたしは・・・というと、一貫性のない質問ばかりしていた。例えば、世界の有名人の別荘がYさんの住む島にたくさんある、とTVでやっていたのを思い出し「マドンナの別荘もあるらしいよ」と言ったとたん、Yさんが「誰それ?!」とすごい勢いで反応してきたので、その様子がおかしくて笑ってしまった。(しかし、実際は別の島であった。わたしの勘違い)

また、ヴェリアで乗り継ぎのバスを待つ間、教会を見てまわった際には「孔雀のモチーフが教会に使われるのは、何か意味があるのか」と尋ねてみたが「わからない」とのことだった。(孔雀はインドのイメージが強かったのだが、ギリシャには意外と孔雀がいる。村上春樹著「遠い太鼓」にもロードス島、エプタピゲスで野性の孔雀が出てくる。ギリシャ人にとって、孔雀は親しみ深い鳥ということなのだろうか? アレキサンダー大王の東方遠征と何か関係があるのかと思っていたが、実は、それ以前に、孔雀はギリシャ神話に出てくる鳥であった。ちなみに、ギリシャの国鳥はコキンメフクロウ、インドの国鳥がインドクジャクだそうだ)

それから、地震についてYさんにきいてみた。(ギリシャは古代から地震が多い)「若い時に、一度大きな地震に遭遇し、その後しばらくは屋内で眠れなかった」とのことだった。

また、日本ではギリシャ・ヨーグルトが人気であることも話してみた。ギリシャ語のヨーグルトの名前「オイコス(Oikos)」と言ってみたが、彼女の反応は今一つだった。なぜ伝わらないのか、もどかしく思ったが、後になって調べてみると、発音が間違っていたらしい。(多分、Google翻訳の「イーコス」が正解。ユーチューブの発音専門動画では「オイコス」と発音しているが、コメント欄で発音の間違いが指摘されている。それに、オイコスが正しいのならば、Yさんに伝わっていたはず・・・と思う)

バス旅の終盤では、車窓に水田が見えたので、Yさんに水田のことを聞いてみたが、残念ながら、これも話が通じなかった。「rice(お米)」のアール音を意識して発音したが、反応は今一つであった。(後日、調べてみると、テサロニキ近くには大きな湿地帯があり、その周辺で米作りが盛んとのことだった。地図を見るとバスはその付近を通過していたようだ)

つづく

冒頭写真:孔雀(イメージ画像)

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