パノルミティス 到着
パノルミティスに近づくにつれ、海の色が変わってきた。
きれいだな~
目が覚めるような、明るい水色。少し緑がかっても見える。
そして、船は停泊するため、湾の中で方向転換をした。
ゴゴゴゴゴゴ・・・
海の底から砂が舞い上がり、水色の海にベージュの絵の具が浮かび上がったようになった。
おっとっと・・・、こんな風になるんだね・・・
そして、無事パノルミティスに到着。この付近の山にだけ、緑が豊富である。教会の周囲にちょこっと住居がある。
チケットで戻る時間を確認して下船。この町は滞在時間が短い。
海辺を散策していると、太陽の光が急に強くなってきた。色彩が一気に鮮やかになる。
わたしの船、パナギア・スキャデニ号
ゆらゆら涼し気な水面
沖の方を眺めると・・・
わっ! 水平線が見えない!
そう、ここは、天然の巨大な要塞にぐるりと囲まれているのであった。
教会
海辺の散策を終え、ひときわ目を引く塔の中へ入ってみた。
入り口には、天使のレリーフ。
床には、白と黒の玉石のモザイクで、双頭の鷲が描かれている。モザイクは中庭のジグザグ模様へと続き、その鮮やかさに圧倒された。(冒頭写真も合わせてご覧ください)
人が多いのは、われわれ観光客が押し寄せたから、と思っていたが、今日は日曜日だった。教会のミサに参加する、地元の人々。教会の中に入るのは、はばかられた。
教会の中庭。静かにたたずむ白鳥。
小さな博物館
中庭の雰囲気をゆっくり味わうも、時間はまだまだ余っていた。そこで、併設の博物館を見学することにした。島の文化を紹介している。
鍋やホウキなどの生活用具
寝室。鮮やかな色のベッドカバーや敷物。木靴が目を引く。
機織り機。糸をつむぐ道具(?)や色鮮やかな敷物。
落ち着いた雰囲気の居間
貯蔵庫
年代のわからない古い壺。貝殻でフタをされている。(左)
小さな集落
再び中庭。出口から見える、あまりにも鮮やかな海の色に、ハッとする。
そうだ、ここはシミ島だった
まだ、時間は十分余っている。そこで、海辺から陸地側へ入り、町を散策することにした。民家を抜ける路地を歩くも、すぐ裏山の畑になってしまう。町と言うには小さすぎる。
村? うーん、集落・・・って感じかな?
白い家と家の間から、突然、予期せぬ目の覚めるような海の青がのぞく。そのたびに、わたしはハッとして、何度でも新鮮に驚けることに自分で自分を笑った。
子どもたちの自転車大会
海辺のカフェの屋外テーブルは、結構人で埋まっていた。わたしは、海に面した建物近くの日影でちょっと休むことにした。
ふと見ると、いつのまにか、海辺には、自転車競技の会場が設置されていた。幕がはられ、優勝カップが並び、本格的である。大会はすでに始まっていた。
子供たちは大人顔負けのいでたちで自転車にまたがり、真剣そのものだ。一人ずつ、間をあけて「よーいドン!」で飛び出す。タイムを競っているのだ。
みな勢いよくスタートを切り、やがては登り道になるまっすぐな道を全速力で飛ばしていき、あっという間に消えていく。
ワーオ!
子どもたちのエネルギーには圧倒された。
そして、さらに驚くことに、中には女の子もいた。
すごいなぁ!
ここで、わたしは思い出した。
そういえば! 船の中で自転車見たな・・・
そう、この大会に参加するためだったのだ。
なるほどね~
何回も繰り返されるスタートに、いつのまにか、わたしは聞き耳を立てていた。どうやら、
「3,2,1、パメ!」
と言っているようだった。そして選手がスタートを切ると、周りの応援団が・・・
「パメ!」「パメッ!」
と声援を送っているようだった。
もしかして「GO!」って意味なのかな?
帰ったら、さっそく宿の主人にきいてみようと思った。
第2寄港地、シミへ
しばらく自転車大会の様子を見学したあと、時間になり、船はパノルミティスを出港した。滞在時間は短いと思ったが、十分すぎるほど余裕であった。
この美しい湾ともお別れ。
目指すは、2番目の寄港地、シミ。