ひとり旅日記 ギリシャ

女ひとり旅日記 ナフプリオン 海辺の散歩道  ギリシャ旅128

ブルジ島前からスタート

ナフプリオン旧市街を東から西へ抜け、ブルジ島が見える海岸通りの景色を、高台から堪能した後、偶然にも、下へ降りる階段を見つけ、そのまま海辺へ出ることができた。

その海岸通り自体も美しかったので、ゆっくり歩きたかったが、日が傾いてきたせいもあり、まずは、ホテルのオーナーから教えてもらった海辺の散歩道を目指すべく、先へ進むことにした。しかしながら…

黄金色のグラデーションに染まる空と海、そして、山々の連なるシルエット…。

美しすぎる…

海辺の散歩道 ナフプリオン

 

散歩道を目指しながらも、あまりの景色の美しさに、わたしは何度も立ち止まり、カメラのシャッターを切った。

海辺の散歩道へ

特に、道しるべがあるわけではないが、海を右手に見ながら、そのままヤシの木の海岸通りをまっすぐ進んでいくと、突き当たりに海岸線に沿って左へ曲がる狭い小道がある。石壁がせり出し、わかりにくいかもしれないが、左折すると石壁の上方に大砲の筒が見えてくる。古い時代のベネチアンの砦跡(※)なのかもしれない。

ここから道幅が急に狭くなり、ホテルのオーナーの言う、海辺の散歩道が始まる。この辺は、海に突き出たレストランもあり、夜も良い雰囲気なのだろうと感じる。

ナフプリオン

 

散歩道を進んでいくと、だんだん木が茂ってきて、木々の間から海を見るようになる。

海の散歩道 ナフプリオン

 

歩き続けるうちに、太陽はだいぶ傾き、何もかもが夕焼け色に包まれてきた。夜8時は過ぎていたと思われる。海は静かで落ち着いた青い色をしており、わたしは、以前旅行で訪れた北海道の洞爺湖を思い出した。穏やかな、美しい青色をした湖であったのだが、この目の前にある海も、あまりにも静かで、あまりにも穏やかで、湖のように感じるのだった。

(下写真↓) 船着き場のよう。

海の散歩道 ナフプリオン

 

(下写真↓) 陸側の岩壁に咲き乱れる白い花々。さっきまで松の木が生えていたと思うも、いつのまにか赤茶けた岩肌に変わっている。

海の散歩道 ナフプリオン

 

しばらく歩くと、木々はなくなり、パッと視界が開ける場所に出る。この辺りの風景もまた、格別に美しかった。

(下写真↓)ちょうど、お散歩中の人々に遭遇。

海の散歩道 ナフプリオン

 

広がる海の向こうに見える山々が、夕焼けをバックにうっすら藤色に見える。太陽がまさに今、沈もうとしている山々を超えて、トリポリからここ、ナフプリオンに来たのだと思うと、感慨深い。

ナフプリオン 海の散策路

 

山々に囲まれた湖のように思えても、山の裾野が途絶え、陸地が切れている、ずっと奥の方には、水平線が見えて、海なんだとわかる。その水平線の方から、さっき白い小船が帰ってきたのだった。

こんな景色を前に「美しい」という言葉以外、どんな言葉が思い浮かぶだろう…。

サプライズ!

さて、木立が消え、視界がパッと広がった小道は、しばらく歩くと、崖に沿って急カーブする。ちょうど、夕陽の沈む山々を背にして歩くようになる。そして、急カーブの先では…

わ!

なんと、ウェディングの撮影が!! 

新郎新婦二人だけの撮影で、他にはカメラマンと助手さんがいた。お二人ともモデルさん並みの超美男美女さんで、この美しい大パノラマを背景に、すばらしい記念写真を撮ろうとしていた。

純白のドレスを着た花嫁さんは笑っていたが、夕焼け色にすべてが美しく輝き、暑さがやわらぐこの時間帯が、最も人の往来が多いはずだった。なかなか忍耐のいる写真撮影である。わたしは、心の中で祝福を送りつつ、写真撮影が無事終わりますように、と祈った。

あの建物は?!

さて、太陽を背にして散歩道を進んでいくと、夕焼け色に染まった小山が、前方に見えてきた。

海の散歩道 ナフプリオン

 

ん?

 

ナフプリオン

 

目を凝らすと、山頂に何かが見えた!(笑)

後ほど「パラミディの城跡」と確認するも、ホテルを出てすぐ見えた建築物が、行く手にふたたび現れたことで、ようやく、わたしは、ぐるっと大きく一回りして、元の場所に自分が戻りつつあることを知った。

このまま進み、どうにか小山の手前で、左方の木々の中を横切ることができれば、そのままホテルに帰れるかもしれないと思った。そうすれば、大幅に帰路をショートカットできる。

岩の額縁

さて、せり出した岩壁の道をずんずん進んでいくと、現れたのは…

わ!

なんと、岩のトンネル! 

小さくて可愛らしい。

海の散歩道 ナフプリオン

 

トンネルから向こう側をのぞいてみる。

海辺の散歩道 ナフプリオン

 

天然の額縁…かな?(笑)

Uターン

トンネルをくぐり抜けるも、まだまだ道は続く。

海辺の散歩道 ナフプリオン

 

しばらく歩き続けたが、刻々と空の明るさは失われていき、いつのまにか、周囲を散歩していた人々の姿はまばらになり、すれ違う人もいなくなってきた。

夕闇迫る薄暗いムードにピッタリの音楽が、どこからともなく流れてきて、それは、遠くに見える、建物辺りから聞こえてくるようだった。きっと、みんな、海を見ながら、バーでくつろいでいるんだろうな…と思うも、道はますます暗くなっていき、初めての場所で、周りに人はいないし、ちょっと不安…ということで、とりあえず、今日のところは大事をとって、来た道を引き返すことにした。

ホテルへの近道があるかどうかも気になったが、散策の続きは明日、あさって、行うことにした。

つづく

冒頭写真:海辺の散歩道から眺めた美しい景色、ナフプリオン

(※)海辺の散歩道のスタート地点にそびえる石壁は要塞跡です。また、上方に設置された大砲は、5つあることから「Five Brothers」と呼ばれているそうです。

 

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