ひとり旅日記 ギリシャ

女ひとり旅日記 ティリンス遺跡 遠景からの観察 ギリシャ旅164

帰りのバス停はどこ?

遺跡見学終了後、わたしは、帰りのバスのりばを確認するため、再度、チケット売り場へ向かった(ナフプリオンまで公共バスで帰るつもりだったが、バス道路には、バス停らしきものが見あたらなかったため、とりあえず、遺跡のチケット売り場できいてみようと思った)。しかしながら、受付の女性はそっけなく、バス道路の方角を指さすだけで、忙しいのか、すぐ仕事に戻ってしまうのだった。もう少し具体的な情報を得られるかと思ったのだが…。まあ、でも、彼女の雰囲気から、そう遠くはなさそう…と、わたしは判断した。

とにかく、バス道路まで行って、あとは、また、誰かにきいてみよう!

わたしは、そう気持ちを切り替えると、遺跡の門を出た。

遠景からの観察

とりあえず、いったん、遺跡の外に出たわけだが、今度は、遺跡を外側からじっくり見てみよう、と思った。

ティリンス遺跡は、ひょろ長い瓢箪(ひょうたん)のような形をしている。細長く広大なため、残念ながら、全景はカメラに収まらない。

下写真:バス道路側から見たティリンス遺跡(部分)とヤシの木

ティリンス遺跡

 

おや?

(写真の中央、やや左に)穴のようなものが写っている。それから(向かって右上の)四角くあいた壁の穴…。

ティリンス遺跡

 

(上写真の拡大↓)

ティリンス遺跡

 

(上写真↑)このピンク円内の穴は、遺跡の低層部で見た、地下にある水場へ続く2つの穴の続きかもしれない…。と言うのも、低層部にある水場入口(左の穴)とその左側の石壁にあく四角い穴が一致するからだ(下写真↓ 右上のヤシの木の位置も一致する)。

ティリンス遺跡

 

案内板や展示ボードはないので、「絶対」とは言えないが、可能性は高そうだ。

下写真(拡大):バス道路側から見た、水場へ続く2つの穴(…かもしれない??)

ティリンス遺跡

 

下写真:バス道路側の城壁にある階段

ティリンス遺跡

 

同上

ティリンス遺跡

 

(上写真↑)遺跡見学中、この階段を上り下りすることは、できなかった。復元工事は終わっているように見えたけれども…残念!(現在、階段の利用はできるらしい)

下写真:遠景のティリンス遺跡

ティリンス遺跡

 

下写真:石壁にあいた狭い穴

ティリンス遺跡

 

上写真の拡大↓

ティリンス遺跡

 

下写真:バス道路側の城壁にあいた穴。

ティリンス遺跡

 

上写真の拡大↓

ティリンス遺跡

 

(上写真↑)この穴から城内へ階段を使って出入りできるようだ(パンフレットには「湾曲した要塞と塔で守られた階段」と記載がある)。当時、こちらも残念ながら、復元工事中で上り下りすることはできなかった。

「湾曲した要塞…」というのは、ちょうど下写真の中央にある、右斜め下にカーブを描く石積の辺りで、その内側に階段が作られているようだ。

ティリンス遺跡

 

下写真:遠景のティリンス遺跡

ティリンス遺跡

 

ティリンス遺跡

 

下写真:ティリンス遺跡の上層部の外壁

ティリンス遺跡

 

(上写真↑)この、上層部の外壁辺りで、石でできた臼(ウス)のようなものが1つ、無造作に、地面に転がっているのを発見した。木の実か何かをすりつぶすために、使われたのだろう。考古学博物館などで保存・展示されるべき古代の遺物が、こんなところに転がっていていいのだろうか?と驚いた。

バス停

遺跡の上層部の外壁を見たあと、そろそろ帰りのバスのりばを探そうと、わたしはバス道路に戻り、道を渡った。ちょうど良く、小さなお店があったので、お店の女性にバスのりばを尋ねると「そこよ!」と教えてくれた。しかしながら(バス停のような)目印は、本当に何もなかった。彼女が教えてくれた場所は、何もない、ただのお店の脇のスペースだった。「大丈夫かな?」と、少し心配になるも、お店の女性に確認ができたし、間違いないはず、と思った。(※)

タブー

バスの時刻は、正確に把握していなかったが「ティリンス遺跡 ⇔ ナフプリオン」間の便数は多かったので、心配はしていなかった。

それよりも、わたしが心配していたのは「バスを停められるか?!」だった。バスのりばに並んでいても、手で合図しないと、ギリシャのバスは通り過ぎてしまうそうだった。これまでも、ギリシャでバス旅は何度もしてきたが、ほとんどが「始発」から乗っていたので、ドキドキだった。

そして、さらに…!!

わたしが心配していたのは、ギリシャのタブーの中に「手の平を相手に見せてはいけない」というのがあり、どうやってバスに手で合図しようか…と悩んでいた。

いろいろ考えたが、手の平を自分に向けて(手の甲を相手に見せて)バスに合図することにした。バスの運転手にアピールするには、小さな動きでは見過ごされてしまうだろうし、とにかく、手の平を相手に向けないように、大きく手を振るしかない(奇妙な動きだが…)と思った。

無事、ナフプリオンへ

そうこうするうちに、遠くにバスが見え、わたしは「バスを逃してはならぬ‼(笑)」と、大げさに手を振った。おかしな動きであったが、バスはわたしの目の前で停まり、無事、乗車することができた。

ホッ!

バスに乗ってしまえば、10分ほどでナフプリオンに到着する。しかしながら、街の入口に差しかかる道路には、まだ青空市の屋台が並んでおり、バスはナフプリオンの街を目前にして渋滞にはまり、しばらくの立ち往生を余儀なくされたのだった。

つづく

冒頭写真:バス道路側から見たティリンス遺跡(部分)

バス停の位置は、現地(ナフプリオンのバスターミナル事務所など)で最新情報をご確認ください

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