イア! ォイア? ォイヤァ!?
昨日に引き続き、今日も快晴☀!! 久しぶりにゆっくり起きた。今日は、イア観光の日である。すてきな一日になりそうだ。
ホテルのホールで、スタッフのIさんとすれ違う。
カリメーラ!(おはよう!)
お互いに挨拶をする。Iさんは、ホテルはどう?問題はない?と尋ねてきた。わたしは、居心地いいし、(特に昨日は)温かいシャワーで癒されたよ、と言うと、Iさんはニッコリ笑ってホールの奥へと消えていった。
この日は、フィラのバスターミナルを10時ごろ出発した。バス走行中、車掌が切符を見にきて、一人一人行き先を確認する。(乗客の行き先は、ほぼイアだったが)
日本語では文字通り「イア」と発音するが、どうやら英語での発音は、頭に小さな「ォ」がついて「ォイア」になるらしい。場合によっては「ォイヤァ」と聴こえる。みんなの発音に耳を傾けていると・・・
車掌:ォイアに行きますか?
若者:ォイア? オー、イヤァ!! ォイヤァ? オーイェアーッハッハッハッハッハー!!
と笑い出した。わたしも思わず笑ってしまった。若い車掌さんの顔を見ると、え、えーっと・・・(汗)と、苦笑い。
これを機に車内はほどけて、ゆる~い雰囲気となった。”ォイア”の魔法がかかったのか・・・自然に口元もゆるんできた。
(※イアの英語表記はたしかに「Oia」で頭に「O」が入っていました※)
車窓からの景色
しばらく走ると、突然絶景が広がる。サントリーニ島の東側だ。小さな家々と畑、そして海がはるか下の方に見渡せる。右側の窓からよく見える。
島の西側と東側では全く違う景色だ。
途中、おにぎり🍙みたいな三角山も見えた。形がきれい!
こうして景色を楽しむこと、20分。イアに到着した。
イア到着!! メインスクエアへ
イアのバスターミナルには、たくさんの人々がいた。まずは、バスターミナルからメインスクエアに移動、と思うも、よく道がわからない。
あせらず、人の流れについていくことにした。お店が建ち並ぶ道を行く。途中、音符♬があしらわれた珍しい鉄柵があったので、どうしても写真に撮りたくなり、人波が途切れるのを待って、撮影した。
そして、途中、わざわざ立ち止まってくれたおじさんにお礼を言った。すると、「あ、なんだキミ、日本人かい?」と尋ねてきた。「そうですよ?」と答えると、「ド・ウ・モ・ア・リ・ガ・ト!」と、彼は歩き去っていった。
(笑)
・・・それにしても、お礼を言った瞬間、日本人とバレるのは、面白いな、と思った。(隠していたわけではないが・・・)
しばらくすると、木々が生い茂るせまい道に入った。本当にこの道でいいのかな、と思うも、周りの外国人たちと一緒に歩き続ける。確か、メインスクエアに大きな教会があったな、と思い出し、見渡したところ、木々の梢(こずえ)の向こうに青い丸屋根が見えた。
あ、教会の屋根だ! この道で良さそう!
そして無事、メインスクエアに到着!!特に、道を尋ねることもなく目的地についた。広場に敷き詰められた石、そして教会の白壁が、太陽の光にまぶしかった。ここまで来れば、絶景はすぐそこ!!
これぞ、ザ・サントリーニ
「ああ、サントリーニ!!」と誰もがつぶやくような風景が目の前に広がっている。絶壁に立ち、遠く海を眺めるも、今日は全くの無風!!昨日の暴風がまるでウソのようだった。
そして、絶壁の白い町を、この晴れ渡った空の下で眺めることができて、感動した。初日は空もよう怪しい、フィラの町散策だったからだ。
すべてが輝いている!!
「太陽=生命エネルギー」なんだ、と改めて思う。
絶壁の、青い丸屋根教会の撮影スポットで、見知らぬ旅人どうし、写真を撮り合った。特に道しるべというのはないので、何となく足の向く方へ歩く。
イアのおみやげ屋さん
しばらく歩くと、雰囲気の美しいお店があった。陶器やガラス製の食器が目をひく。サントリーニの風景を織り込んだクッションカバーも美しかった。クッションカバーならば、リュックに入るな、とわたしはお店の敷地に入っていった。
ヤーサス!(こんにちわ)
お店の中はこじんまりとしている。ファブリック製品が充実しており、テーブルクロス、ランチョンマット、鍋つかみなどがあり、ワンポイントで刺繍が施してあったりする。
わたしは、ザジキ(*キュウリ、ヨーグルト、オリーブオイル、ニンニク、塩、ハーブなどで作られたソース)のイラスト入りレシピが印刷された鍋つかみと、先ほどのクッションカバーを買うことに決めた。
お会計を・・・と思うも、お店のおばさんは、しばらく前から白人の一家と何やら話をしている。一家の主(あるじ)である男性が熱心に問いかけるも、おばさんは首を横にふるばかり。どちらも引かない。
ん~・・・終わらなそう
一家はオリーヴの実の刺繍がしてあるテーブルクロスを購入するらしい。値段交渉は難航している。
わたしは、他を観光してから、もう一度この店に戻ることにした。しかし、今までの経験から、こういう場合、戻れたためしがないことは、自分でわかっていた。わたしは、散策の場合、基本、同じ道を「たどらない・たどれない」のだ。
だから、お店の外観や周りの景色を頭に叩きこんだ。幸い、お店の看板はアクロティリ遺跡のパピルスを描いた壁画があしらわれている。これなら忘れないだろうと思った。
灼熱の暑さ
しばらく歩くと、透き通る海にボートが浮いているのが見えて、近くまで降りてみたくなった。階段があまりにも急なので、途中で振り向いて見上げると、たった今、下ってきた階段が恐ろしい角度で上へ上へと積み重なっている。
引き返そう・・・
太陽はますます威力を増し、無風の、まるでオーブンの中にいるようだった。「行きはよいよい、帰りは怖い・・・」である。足腰をトレーニングしていても、”灼熱の暑さ”という盲点があった。もう、体は溶けかかっている・・・
イアのワンコ
この暑さでイアのワンコたちも相当バテているようだ。日影で休むワンコ(ノーマル)、お店の入り口をふさいで眠るワンコ(客はワンコをまたいで入る)、道路に倒れているワンコ(・・・?!)太陽がのぼり、影がずれてしまっても起きない(笑)
風車
途中で休憩。アイスクリームを食べた。それから、さらにどんどん歩いて、風車までたどり着く。かわいらしい風車だが、これが、あのハンパない強風を受けるのか・・・と思うと感慨深い。しかしながら、今はもう、風車としては使われていないのだろうか・・・?
周辺を歩いていると、風車前で互いに写真を撮り合う、ヨーロッパ人風の熟年カップルがいた。
写真撮りましょうか?
話しかけると二人はニッコリ笑って、じゃあ、お願い、と言ってくれた。風車と近かったので、わたしは低い位置から二人と風車を見上げるように写真を撮った。映像を確認すると二人の笑顔と、その後ろ中央に風車、そしてバックに青い空がバッチリ写っていた。
オー!
二人は喜んでくれ、わたしはすっかり嬉しくなった。普段、観光地に行くと必ず写真撮影を依頼されるわたしだが、特に、自分から撮影を申し出ることはない。しかし、ここイアの地では、何かがわたしにそうさせた。いつまでもお二人が幸せであるように、と思う。
イアのおみやげ屋さん 2
風車を一通り見てから、引き返すことにした。途中、美しい光景に、たびたびカメラをかまえるも、「ここから先(の立ち入り)は、お泊りのお客様のみ」とロープが張ってあったりして、注意が必要だ。いろいろ寄り道をしたつもりだったが、幸運なことに行きに寄ったおみやげ屋さんに戻ることができた。
買うものは決めてあったので、すぐに品物をレジに持っていった。試しに、これが欲しいです、とギリシャ語で言ってみると、おばさんは、おぉ!という顔をした。そして、笑いながらも、複数の場合はね、と、「単数・複数」で使い分ける正しいギリシャ語を教えてくれた。確かに会計の品は複数あった。
エフハリスト!(ありがとう!)
わたしは、復唱しながら、なるほど!と思った。
これで、次回は正しいギリシャ語が使えるなぁ
おばさんが指摘してくれたことが、嬉しかった。
そこで今度は、クレジットカードを使えるか、というギリシャ語のフレーズを、言ってみた。
おやおやおや・・・!
驚いて、言葉の出ないおばさんの様子から、今度は、完璧に言えたようだった。すると、おばさんは・・・
値引きしてあげる!
と、言って笑った。
えぇっ?!
”まさか”の展開に、こちらもびっくりしたが、ここは、おばさんのご厚意をありがたく頂戴した。
そういえば・・・
お店を出て、ふと思った。
あの、白人一家は、どうなったかな・・・
カフェ
おみやげ屋さんから歩き続け、メインスクエアを通り過ぎ、さらに海を右手に見ながら、奥へ歩いていくことにした。
この辺で、歩きっぱなしの足が休息を訴えてきた。それに、体のクールダウンも必要だ。お昼をとろうか、とも思ったが、あまりお腹は空いていない。冷たいフラッペを、海を眺めながら、ゆっくり飲みたいと思った。しかし、崖へせり出したカフェは敷居が高そうな雰囲気だ。
横目でカフェを探しながら歩くうちに、道路沿いに入りやすいカフェを見つけた。面白いことに、カフェは道路の内陸側にあるのだが、ちょうどカフェの目の前だけポッカリ海側の建物がない。そこだけ障害物がないので、道路を挟んだカフェから絶景が楽しめるのだ。
お店の中を眺めるも、案の定、お客さんでいっぱいだった。
ん~、無理かな・・・
と思った時、奥の席の人たちが立ち上がった。
ラッキー!
と思い、店内に足を踏み入れた瞬間、なんと、一番手前にある、絶景の、特等席のお客さんも立ち上がった。
うわっ
ラッキー!!本当にわたしはツイていた! ウソみたいな展開で、素晴らしい特等席をゲットできたのだ。冷たいフラッペを、海を眺めながら、ゆっくり飲めることとなった。
カフェは人通り多い道に面している。人々は次々とやって来るが、席はあっという間に埋まってしまう。
このサントリーニの絶景に、目も心も奪われてしまった。
そして、初めて注文したフラッペ・・・細かい泡々のアイスカフェオレ・・・は、わたしのお気に入りとなった。これから暑いギリシャを旅する上で、ちょくちょくお世話になるだろう。日本にもあればいいのに、と思った。
景色だけで、このままずっと、座っていられそうな気がしたが、1時間くらい経ったところで、ウェイトレスさんに写真を撮ってもらい、店をあとにした。彼女は親切にも、人波が切れるのを待ってから、撮影してくれた。
さらなる散策
カフェでゆっくり休んだあと、さらに崖沿いを散策。
フォトジェニックな景色が続く。
途中、海原を、ブルースターフェリーが横切って行くのが見えた。
懐かしいなぁ・・・
アテネ出港の、船旅を思い出す・・・ブルースターフェリーから見るサントリーニは格別だろう。
心の中でいつまでも手を振った・・・
フィラへ
フェリーを見送った後、そろそろ、フィラへ帰ろうと思った。イアには、サンセットの眺望で有名なスポットがあるが、ホテルで一休みしたかった。そして、フィラでゆっくり夕陽を見たいと思った。
焼きトウモロコシの屋台を横目に見ながら、フィラ行のバスを待つ。バター醤油で焼いてくれたら、抵抗できないのになぁ・・・なんて思ったり(笑)
フィラに着き、ホテルへ帰る途中、食料品店セルフサービスへ寄ろうとしたが・・・
あれ?
シエスタなのか、店は閉まっていた。
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