キツネにつままれる
サントリーニ2日目は、快晴☀!!
やったー!
今日は、アクロティリ遺跡・レッドビーチ・サントワインをめぐるのだ!!
朝食は簡単に済ませ、バスターミナルへ向かう。今度は迷わず行けた。すでに人が集まっている。
早速、バスターミナルでチケットを買おうとするも、チケット売りから買ってちょうだい、ここでは売ってないの、と言われた。
えっ、チケット売り?
どこ・・・?
見あたらない。ま、そのうち来るか・・・としばらく待っていると、アクロティリ行のバスが来て、チケットの束を提げた係員が、バスの搭乗口前に立った。
あー、そういうことか!
わたしは、係員からチケットを買い、そのままバスに乗り込んだ。
これで、しばらくの間はバスの中からサントリーニの景色を楽しむことができる・・・と思いきや、それは意外にも早く終わってしまった。
アクロティリ遺跡の到着を告げられたのだ。
えっ、もう到着?!
・・・そのままバスを降りるも、キツネにつままれたようだった。
本当にこの場所・・・?!
こんなに早く遺跡に着くはずがないのだ。ガイドブックを見ると所要40分とある。しかし、20分たらずで着いてしまったのだ。それに、アクロティリ遺跡は人気の観光スポットだと思っていたのだが、バスを降りた人はほぼいない。
わっ、間違えたかな?
それらしい場所はある。けれど、アクロティリ遺跡ではないのかもしれない。わたしは、別の遺跡でバスを降りてしまったのかと思い、遺跡の入り口でガイドブックの写真を指し示し、尋ねてみた。が、ここはアクロティリ遺跡で間違いないと言う。
遺跡の受付の女性が「どうかしたの?」と尋ねてきた。事情を説明する。そして、双方で肩をすくめて笑い合った。
チャン、チャン♫
アクロティリ遺跡 入場
入場チケットを買い、中へ入る。まだ5月中旬ではあったが、ハンパない暑さで太陽の光が痛い。そんな中、太陽をさけて屋内で遺跡見学できるのは、ラッキー!としか言いようがない。
説明ボードが貼られた建物の壁に沿ってまっすぐ歩道がある。遺跡の中にも見学者用の歩道が伸びており、場所によってはかなり近く(手を伸ばせば触れられる距離)まで遺跡に接近することができる。
残念ながら、遺跡内には日本語の説明ボードはない。ただ遺跡に関することは、ネットや本などからも情報を集めることはできるだろう。写真撮影はフラッシュなしでOKだった。
それにしても、はるか大昔(アクロティリ全盛時代は紀元前17世紀)に下水の排水システムができていて、建物に上層階があったとは驚きである。イタリアのポンペイ遺跡(西暦79年にベスビオ山噴火)にも下水の排水システムや、建物の上層階があったそうだが、思えばアクロティリ遺跡はポンペイよりもはるかに大昔なのだ。時代がちがう!!
個人旅の良いところ
人によって見学の所要時間はさまざまだろうが、ここは早ければ15分ほどで見終わる人もいるらしい。わたしは写真を撮りまくり、可能なかぎり説明ボードを読み、かなりじっくりと目を凝らして遺跡を見ていたので、1時間半~2時間くらい時間を要した。
こんな時に、しみじみと・・・
個人旅で良かったー!
・・・と思うのである。”自分の好きな場所で”納得のいくまで”時間を自由に使う”というのが、最高にぜいたくなのだ。
日本のツアーグループとすれ違う
ゆっくり見学をしていたわたしは、後から来た日本のツアーグループに追いつかれてしまった。何かお得な話がきけるだろうか・・・と聞き耳をたてる。
ガイドさん:『アクロティリの住人は背が低く、ローマ人たちが”小さい人がせめてきた”と書き残しているんですよ』
えっ? アクロティリ人(ティラ人)って平和な民じゃあなかったの?
・・・わたしは、ツアーガイドさんの説明におどろいた!
それは、きいたことがなかったなぁ…
ガイドさん:『サントリーニの水は飲まないようにしてください』
お客さん:『飲んだら塩っぽかったですよ』
えっ、飲んだんだ・・・勇気ある! あ、だから洗濯して乾かしても、どことなく湿ってる気がしたんだー! 納得、納得!
わたしは、久しぶりの日本語と豆知識をきけて嬉しかった。そして、彼らはあっという間にわたしを追い抜いて、消えていった。
アクロティリ遺跡の見学
貯蔵室の様子。壺がたくさん置かれている。この建物の上層階では布が織られていたそうだ。
これは驚いた!!保存状態が良すぎる!だから、素晴らしい壁画がいくつも残ったのだ。復元したら、現代の家と外見はそう変わらないのかも?!と思わせる建物。
上の写真の家の内部。部屋が分かれている。階段が一部見えており、右側の上層階部分の壁が一部おうど色に塗られているのが見える。
別角度から撮った写真。
遺跡の壁を通り抜けられる通路!すごい! 遺跡には各要所に係員さんが立っている。(ここは青い服の女性)
階段が残っている!少なくとも2階はあったのだ。
ここの遺跡には、ベッド枠の展示もある。なるほど、ガイドさんも言っていた通り、当時のアクロティリの住人は、現代の我々よりも背が低かったのがわかる。(冒頭の写真をご覧下さい)
途中、遺跡の係員さんにいくつか質問をしてみたが、説明がないものについてはまだ発掘途中だからわからないと言われた。発掘されたのは、都市のほんの一部だそうだ。
壁画の展示はなく、こんなふうに説明ボードに写真で載っている。部屋の間取りもわかるので、遺跡好きにはうれしい。
遺跡だけを見ていると、ここから様々な色とりどりの壁画が見つかったとは、にわかに信じがたい。絵のパターンや、模様、人物像がクレタ島のクノッソスやミケーネにも通じているのがわかる。
丁寧に見てまわり、慣れない英語に集中力も使っていたので、出入り口に戻る頃にはかなりエネルギーを消耗していた。幸い、座る場所もあるのでちょっと一休みすることはできる。水を飲み休んだ後、意を決してまぶしくて暑い外に足を踏み出した。
アクロティリ遺跡の詳細はこちらです。