ひとり旅日記 ギリシャ

女ひとり旅日記 テサロニキ 地下聖堂の見学 ギリシャの旅86

再び、テサロニキの町中

考古学博物館からアギオス・ディミトリオス教会へは、ざっくりと方角を定め、最短ルート(町中)を通って行くことにした。しかしながら…

空と海のブルーに、光り輝く、目にも鮮やかな芝生のイエロー・グリーン、そして、テサロニキの白いシンボル、ホワイト・タワー…。こうした、さわやかな色のマジックに目を奪われ、歩きかけた足が止まってしまう。

ああ、なんて美しいんだろう!

わたしは、自分の目をカメラに見立て、瞼(まぶた)でシャッターを切った後、町中へ歩を進めた。

以下、教会までの道中の写真。

ホワイト・タワー近くの道。

テサロニキ

 

(上の写真の拡大)遠くの城壁。

テサロニキ 城壁

 

町中の街路樹。見上げれば…たわわに実るビワの実!

テサロニキ

 

こちらはオレンジの街路樹。花の時期は、良い香りが路地に漂うのだろう。

テサロニキ

 

こうして見ていると、意外と、町中には緑がある。

テサロニキ

 

3度目の正直、アギオス・ディミトリオス教会

さて、3度目の訪問ともなると、さすがに迷いはない。ロトンダを通り過ぎ、すんなり教会に到着。中へ入ると、ろうそくの台で作業をされている高齢の男性がいらしたので、その方に声をかけてみた。すると「あぁ、地下聖堂ね、あそこから行けるよ~」と、何とも言えない優しい笑顔で教えてくれた。

エフハリスト!(ありがとう!)

お礼を言い、教会の奥へ。

あー、やっと見学できる~!

ドキドキしながら、階段を下りていく。

アギオス・ディミトリオス教会の地下

 

アギオス・ディミトリオス教会の地下

 

「地下聖堂=暗闇(ちょっとコワい)」のイメージがあるかもしれないが、ここは、雰囲気が壊れない程度に明かりがともされており、場所によっては、自然光が差し込む、明るい場所もあった。

アギオス・ディミトリオス教会の地下

 

アギオス・ディミトリオス教会の地下

 

アギオス・ディミトリオス教会の地下

 

(上写真の建造物の)本来の姿。

アギオス・ディミトリオス教会の地下

 

そして、ここにも孔雀のレリーフがあった(キリスト教と関係のある鳥とは知らず、旅の間中、不思議に思っていた)。

アギオス・ディミトリオス教会の地下

 

アギオス・ディミトリオス教会の地下

 

アギオス・ディミトリオス教会の地下

 

一通り、地下の聖堂内を見てまわったが、見学はサラッと普通に終わった。

以前にも触れたが、わたしは、この地下聖堂について、並ならぬ高揚感をもって感想を語る、ある旅行記の影響をあまりにも強く受け過ぎていたのだろう。残念ながら、わたしは彼女のようには感じることができず、見学後、そんな自分にちょっと茫然自失(笑)!

期待していた分、ふくらんでいた風船がしぼんでしまったかのような気分になったが…(笑)、しかし、同時に、わたしは率直なギリシャ人女性、Yさんを思い出し、一人ふきだし笑ってしまった(Yさんは、ヴェルギナ日帰り旅で道連れになった女性で、地下聖堂の感想が非常に淡白だった)。

Yさんに「でしょ~?(笑)」と言われている気がして、わたしの行き場のない気持ちが癒されていくような気がした。

腹ごしらえ

とにかく、テサロニキでの、最後の旅の目玉をクリアでき、わたしは心から満足していた。バスの時刻までには、まだまだ時間がある。

何か食べよう!

教会から海側に下り、ホテル近くの目についた食堂でランチセットを注文。

テサロニキ

 

スーパーマーケットの隣にあるレストランで、少し奥まった屋外の空きスペースに、パラソル付きの椅子とテーブルが並べられていた。何人か先客がいる。

思えば、道路からさほど離れていない屋外で食事をするなど、テサロニキに着いたばかりの頃には考えられないことであった。エーゲ海の美しい島々で過ごした直後のわたしの目には、テサロニキの町が、ほこり・排気ガスまみれの町に見えたのだった。息をするだけで、鼻の中が真っ黒になるのではないか、と思ったものだった。複数車線が広がり、ビュンビュン走る車、忙しい人々、そして、ビルが上からのしかかってくるような圧迫感におびえ、わたしは、このテサロニキでやっていけるのか、と不安になったものだった。

それが、たった2日前のこと!

今では、大きくて複雑な街、たくさんの車、人々にも慣れ、こうして屋外で食事することもできるようになっていた。お気に入りの散歩道だってある。不思議なものだ。

つづく

冒頭写真:アギオス・ディミトリオス教会の地下聖堂通路

 

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