パメ!(レッツ・ゴー!)
アリストテルス広場をどんどん奥へ歩いて行くと、最終的に海に突き当たった。
わぁ!
このまま、海に出られるとは予想していなかった。さっそく、海沿いを歩いてみよう。
広場を抜けると、いったん信号でストップ。
そして、信号が青になると…
パメ!
と、後ろから声が聞こえた。
あー!
一瞬で、懐かしい記憶が頭の中によみがえった。
パメはギリシャ語でレッツゴーの意味だ。教えてくれたのは、ロードス島のホテルの主人、ニコスだった。日帰りで行ったシミ島の、子供たちの自転車レースで、応援のみんなが「パメ!」と叫んでいたのだった。
あれから、まだ何日も経っていないのに、すごく時間が経っている気がした。
海岸の道、ニキス通り
信号を渡り、海沿いの道を歩いてみた。とても解放感あふれている。それもそのはずで、通りには柵がない。日本人ならば怖い気がするだろうが、すぐに慣れてしまう。
日差しが弱まりかけたこの時間帯は、たくさんの人々がこの海沿いの道にくり出しており、はるか遠くに見えるホワイト・タワー付近まで、人の列が途切れることなく続いていた。
テルマイコス湾を臨むこの通りは、すばらしい散歩道である。海もすばらしいが、同時に、カーブを描く海岸沿いの町並みを、ぐるっと見渡せるのが圧巻だ。
腹ごしらえ
海の散歩を楽しんだ後は、町中のレストランで夕飯をとろうと思った。前日、タクシー乗り場を確認した際に見かけた、感じの良さそうなレストランに行った。屋外にセッティングされた席で、楽しげに食事をするグループがおり、人気のあるレストランなのかな、と思ったからだ。
テーブル担当のウェイターのお兄さんが、一生懸命、英語で料理を説明してくれたのだが、わたしは勉強不足でよくわからず、よってガラスケースの中に用意してある料理の中から、自分が食べたいものを指さして決めた。
また、ここにはサラダ・バーがあり(ギリシャの旅では初めて)とっても嬉しかった。自分で好きなのを選べるのが良い。
ウェイターのお兄さんは、わたしが日本から来たことを知ると、「あぁ!日本人は精神性が高い人たちっていうね♪」と、ニッコリ笑ってフロアの奥に消えていった。
え!
そんなことを言われたのは、初めてだった。はたして、現代の日本人が当てはまるかどうかわからないけれど、それでも嬉しくなった。
彼は、テキパキと気持ちよく働き、しかも、いつも楽しそうな笑顔の接客で、感じがよかった。途中で欧米人のグループが来店し、彼らの接客でお兄さんは忙しくなった。
ちょうど、料理を食べ終えた頃、お兄さんはやってきて「デザートを持ってくるよ」と言った。
え?!
デザートの注文はしてなかったはず…?!
と、わたしはあせったが、彼の身振りで、どうやらお店のおごりらしい…ということがわかった。しかし、このようなボリュームのある食事をしたのは久しぶりで、かなりお腹はキツくなっていた。
もう、お腹いっぱいだよ~
と、ジェスチャーも交え、お兄さんに訴えるも、
小~さいから、大丈夫、大丈夫!!
と、ニコニコしながら言う。
えーーーーーーーー!
わたしは心配になったが、しかし(!)全くもって問題はなかった(笑)。
普通のアイス・バーの1/3ぐらいの大きさの、かわいらしいバニラアイスであった。量が多すぎず上品な、ちょっとしたお口直しのデザートであった。センスの良さに感心。
最後に、落ち着いた頃を見計らい、お兄さんと一緒に記念写真を撮らせてもらったのだった(笑)。
こうして、テサロニキの2日目は無事、終了。明日は、いよいよテサロニキ、最終日となった。
冒頭写真:アリストテルス広場からの海(テルマイコス湾)