ひとり旅日記 ギリシャ

女ひとり旅日記 テサロニキ アリストテルス広場他 ギリシャ旅74

印象深い絵

足の向くままテサロニキの町中を歩いていると、面白い建物を発見した。インパクトのある絵が描かれており、巨大な目からは、涙の滝が流れ落ちている。

テサロニキ

 

写真を撮った時には気づかなかったが、改めてじっくり絵を見てみると、瞳に高層ビル群が映っているのがわかった。もしかしたら、この瞳の持ち主は「地球」なのかもしれない。美しい水と緑があふれていた地球の瞳に映るのは、今や、空高くそびえる高層ビル群…ということなのだろうか。

テサロニキ 拡大写真

 

そう考えると、目の左下の、壁が剥がれ落ちてしまったような部分も、意図的に描かれたものかもしれない、と思えてくる。

ただ今、遺跡発掘中?!

さらに歩を進めると、工事中のような場所に出くわした。テープが貼られ、周りを金網でぐるりと囲まれている。特に、珍しくもない光景だが、何気なく中をのぞき込んでみると、何か違和感があった。

テサロニキ

 

ん?! あれって石積み?!

建物の土台らしき石積みを見た瞬間、頭の中に閃光が走った!

も、もしかして、ひょっとして、遺跡の発掘中ーーー?! 

冷静に考えてみれば、古代ローマ時代、都であったのだから、当然、町全体が遺跡だらけと言っても過言ではないのだ。思いがけないサプライズに、わたしは心の中で歓声を上げていた。

テサロニキ

 

大変な作業だな…

と、物珍しげに現場を眺め、写真を撮っているのは、わたし、ただ一人。地元っ子は誰一人、見向きもしないで通り過ぎていく。

そして、すぐ先の道路わきでも、古い時代の建物の一部が掘り出されていた。

テサロニキ

 

アリストテルス広場へ

テサロニキ  ベイ・ハマム

 

途中、トルコ時代の浴場:ベイ・ハマムを通り過ぎ、しばらく周辺を歩きまわっていると、美しい宮殿のような立派な建物が前方に見えてきた。その、雪のように真っ白な美しさのせいで、周りの景色が一瞬でくすんだように感じられ、思わず息をのんだ。

あれは、何だろう?

そう思うと同時に、わたしはその建物に向かって歩き出していた。

近づいてみると、そこは宮殿(!)ではなく(笑)、巨大な商業施設であった。幅の広い公園のような通路の両側に、その真っ白な建物は建っていたのである。

テサロニキ

 

テサロニキ

 

店の前では、パラソルが設置されたテーブルが用意され、大勢の人々が休憩をとっていた。日が傾き、暑さがゆるんできたせいもあり、出歩く人々が増えたのだろう。

建物に挟まれた幅広の道をどんどん奥へ歩いていくと、風船売りのおじさんがいたり、ストリートミュージシャンが音楽を奏でていたりした。本当にたくさんの人々がいた。

さらに奥へ進んでいくと、左前方に銅像が設置されている場所があった。”偉大なる哲学者”という風貌と雰囲気が漂っており、誰の像かはわからなかったが、きっと名のある古代の人物に違いないと思った。

そこで、その銅像の写真を撮りたいと思ったのだが、その像の周りには、たくさんの人々が集い、待ち合わせをしているようで、とても写真を撮れるような雰囲気ではなかった。思わず、東京渋谷のハチ公像を思い出し、妙な親近感に笑ってしまった。

気を取り直し、さらに奥へと進む。

それにしても、あの像が誰だったのか気になるところだが、ここはアレキサンダー大王にちなみ、アリストテレスではなかろうかと、その時に思ったのだが、それはなんと正解だった。(後日、広場のことをガイドブックで調べてわかったのだった!)

つづく

冒頭写真:海を背にして、アリストテルス広場を撮った写真

 

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