ひとり旅日記 ギリシャ

女ひとり旅日記 サントリーニからクレタ島への船出 ギリシャ旅18

アティニオス港へ

バスがアティニオス港へ至るヘアピンカーブに差し掛かった時、ようやく、サントリーニを旅立つんだ、という実感がわいてきた。ミコノス島から船を乗り継ぎ、この港にやって来たのが、たった3日前のことだ。信じられない。

フィラだったのか、イアだったのか、覚えていないが、ふと通りかかった壁の一角に、天国はわれわれが思うより近いんだ、という落書きが書いてあった。その時は、なるほど、と思うだけであったが、今にして思えば、写真に撮っておけばよかったと思っている。

旅は人それぞれであり、サントリーニの旅は最悪だった、という旅ブログもあったりするが、わたしにとってサントリーニは、まさに ”天国はわれわれが思うより近いんだ” この言葉に集約される。すばらしい旅だった。

さあ、ヘアピンカーブ突入だ!(**写真は窓ガラスが反射しています。お見苦しい部分はご容赦ください。**

サントリーニ アティニオス港へ

 

アティニオス港がちらりと見えた。

サントリーニ アティニオス港へ

 

最後の方のヘアピンカーブ。何度曲がったか覚えていない。

サントリーニ アティニオス港へ

 

何とか踏ん張って、写真を撮ることができた。ホッ!

サントリーニ アティニオス港へ

 

アティニオス港到着

クレタ島、イラクリオン行の船のチケットは、3日前、フィラ到着と同時に購入していた。高速船 Hellenic Seawaysの利用で、アティニオス港17:25発 ー イラクリオン18:50到着予定である。港には40分前には到着しているように、と指示されたが、 超余裕をもって到着していた。時間は有り余っている。

待合ベンチに座って沖を眺める。

サントリーニ アティニオス港からの眺め

 

すばらしいパノラマが広がる。ボーっとしていると、突然、ハッ!となった。そういえば、ドンキーをとうとう見なかったのである。サントリーニと言えば、ドンキーではなかったか? あー、おっちゃんに、叱られてしまうな・・・と思った。

しばらくすると、高速船が入ってきた。Seajetsだ。わたしの乗る高速船よりも、一足早い到着だ。チケット購入時に、わずかに安かったHellenic Seawaysをわたしは選んだのだった。

港がにわかに活気づく。下船した人々をミニバスやタクシー、宿屋の勧誘が出迎える。そして、乗船する人々を港まで運んできたバスは、今度は下船した人々を町まで乗せていく。

不意に、インド風の日焼けした若者に声をかけられた。急だったので、言葉が聞き取れない。聞き直すと、町まで行くバスがどれかわかるか?とのことだった。バスを指し示すと、ありがとう、と去って行った。待合ベンチに戻ろうとしたが、ふと見上げると女性がほほえんでいた。ありがとうね、と言い残し、若者の後を追って歩いていく。親子だったのだ。2人の微妙な距離感が微笑ましかった。

サントリーニ島の絶壁。船の少し上の崖に見える白っぽいのがバスだ。

サントリーニ アティニオス港

 

食堂のお兄さん

しばらくして、何か軽いものでも食べようと思った。万が一、便の変更があった場合に備え、船の事務所の様子が見えた方がいいだろうと思い、カフェレストランの前方の席に座ったが、そこは、たまたまお店の呼び込みをするお兄さんのテリトリーとかぶっていた。

船の出入りがないと、呼び込みのお兄さんはヒマになる。ホットサンドを待つ間に、少し話をして、わたしが日本人だとわかると、日本語をいくつか教えてくれ、と言ってきた。わたしは、いくつか日本語の発音をしてみせた後、ポストイットに意味と発音を書いてお兄さんに手渡した。

運ばれてきたホットサンド。これが出来立てホカホカの、パンがパリパリでとんでもなく美味しかった。

サントリーニ アティニオス港

 

呼び込みのお兄さんには、たびたびお世話になった。彼は携帯を取り出すと、わたしが乗る船の現在位置を確認していたようだった。船は今、〇〇辺りにいるよ、と言う。〇〇は聞き取れなかったが、問題はなさそうだ。

だんだんと人の姿が増えてきた。港のチケット売り場にも人が入っている。

再びお兄さんが来た。キミの船はもうまもなく来るけど、便名が変わったよ、と彼は言う。驚いたが、大丈夫、そのチケットでOKだよ、心配ならチケット売り場できいてごらん、と言う。もう一度、このチケットで大丈夫か、お兄さんに尋ねると、大丈夫!!でも、乗り場はあっちだよ、早く行きな、と促される。

乗り場に移動するのは、船の姿が見えてからでも遅くないと思っていたが、お兄さんに、早く行きな、と言われ急にソワソワしてきた。お兄さんにお礼を言って急いで、乗り場へ行く。

もう、列ができていた。周りの人たちが持つチケットが見えた。わたしのチケットと同じ便名だった。やがて船が来て人の流れにのり、無事、乗船/出港した。

いざ、クレタ島、イラクリオンへ

高速船に乗るのは2回目だ。乗船時間は1時間ちょっとで楽である。自分の席を探し、大人しく着席する。歩き回ることは禁止されていないが、万が一、何かあった場合、スピードがある分、衝撃は小さくないだろう。デロス島行きの小型船の中で転倒しかけて以来、小型船は着席するものと思っている。

Hellenic Seawaysの高速船内。イルカのマークがかわいい。

サントリーニからクレタ島へ

 

船内では、イラクリオンの港からホテルまでの道順をおさらいしていた。幸い大きな目印があり、何とかなりそうだ。高速船はほとんど揺れもなくスムーズに、クレタ島、イラクリオンの港に無事到着した。

つづく

 

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