※韓国人女性Kさん・・・メテオラへバスで向かう途中、経由地:トリカラで出会った娘さん。お母様と旅をしている。カランバカでホテルが一緒だった。
ホテル:Toti(Totti)を予約した経緯
旅行前に、いくつか目星をつけていたカランバカのホテルはあったが、まだ、ミドルシーズンであるにもかかわらず、数日前、テサロニキのホテルでネット予約する頃には、それらは全て満室となり、予約することができなかった。さすが、(メテオラは)人気の観光地である。よって、この度は、ホテル:Toti(Totti)にお世話になることとなった。
ホテルの食堂にて
朝食をとるため、わたしは、階下へ下りていった。食堂は、一昔前(日本風に言うならば、昭和初期ぐらい?)にタイムスリップしてしまったかのような、雰囲気だった。家具や内装以外にも、例えば、部屋の片隅に、動物の剥製(はくせい)が飾ってあったり、色褪せてしまった民族衣装や、昔の木製の生活用具などが飾ってあり、一時は、宿泊客らの目を引いた時代もあったろうが、今は、その面影があるのみだった。
カリメーラ!(おはようございまーす!)
食堂へ入り、オーナーと挨拶を交わす。テーブルには、もう食事が用意されており、わたしはオーナーに案内され、席に着いた。
彼女に飲み物をきかれ、わたしは「コーヒー」と答えた。しばらくすると、彼女がコーヒーを持ってきてくれたので、お礼を言い、さらに「これはグリーク・コーヒー(ギリシャコーヒー)ですか?」と尋ねてみた(ギリシャコーヒーならば、コーヒーの粉を飲まないように気をつけなければならない)。すると…
違うわ、ネスカフェよ
と、彼女は、サラリと言った。
(えーーーーーーー!)
内心、わたしはガッカリした。
ところが、そんなわたしの内心を見透かしたように、彼女は…
これは、とっても美味しいのよ~
と、自信たっぷり。
(えーーーー!インスタントだよね…)
…と思って、コーヒーを飲んでみると、まあ…確かに、美味しかった! これは、目からウロコの発見であった。日本のインスタントとは、味が違うのかもしれない。
そして、わたしは、トーストにハム、スライスチーズ、オリーブの実、ヨーグルトの蜂蜜がけを頂き、食堂を後にしたのであった(ごちそうさまでした)。
(下の写真は、朝食に頂いたギリシャ・ヨーグルトの蜂蜜がけ。ギリシャのヨーグルトは、水分が少なく、酸っぱさも少ない。食べやすく濃厚で美味しい)
メガロ・メテオロン行き バス停へ
朝食後、部屋に戻り、軽装に身支度を整えると、ガイドブックを片手に、メガロ・メテオロン行きバスの乗り場へ出発した。それらしき場所にたどり着くと、それは昨夜、長距離バスから降りた、人工滝の辺りで、レストランが取り囲む町の広場だった(タウンホール)。
バス停の場所を2、3人の地元民に尋ねると、どうやら人工滝の前がそうらしいことがわかった(朝は、人工滝の水は止まっていた)。
再び、Kさん現る
おはよー!
バス停が見つかり、ホッとしていると声をかけられ、振り向くとKさんたちだった。Kさんから、さっそく質問を受ける。
ホテルの朝食、食べた?
うん、食べたよ、と告げると…
どうだったー?
…と、Kさんは、いぶかしげに、しかし、興味津々に、尋ねてきた。わたしは、朝食で食べたものを列挙し、Kさんは、うん、うん、と聞いていたが、最後に「ヨーグルトと蜂蜜」と言ったところで、Kさんの瞳が、キラッと光った。
仰天!
わたしが、「Kさんはどうだったの?」と、尋ねると…
すごく疲れて、ギリギリまで寝てたから、食べてないー!
彼女はそう言って、リンゴを1個、リュックから取り出したかと思うと、目の前で、いきなり、シャク、シャク、と丸かじりし出した。わたしは、心の準備ができておらず、ビックリしたが、こういう所作は、よく、白人の若者たちがしていたことを思い出し、なんとか心を落ち着けようとした。
しかしながら、さらに彼女が、器用にも、2、3口食べたそのリンゴを口にくわえたまま、自由になったその両手で、リュックの中の荷物を整理し出した時には、驚きで目を見張った。これも、白人の若者たちがする所作だけれども、日本人であるわたしは、わかっていても仰天した。彼女が同じ、東洋人だからだろうか?
ところ変われば…である。
冒頭写真:カランバカのタウンホールから見上げた奇岩
メガロ・メテオロン行きバスの乗り場は、念のため、現地で、最新情報を確認してくださいね!