ひとり旅日記 ギリシャ

女ひとり旅日記 メテオラ 帰りのバスを待つ間に ギリシャ旅103

◆メテオラの地図(日本語は加筆しています)

メテオラ地図

 

移動販売車のお兄さん 3

アギオス・ステファノス修道院の見学が終わり、再び修道院前の広場に戻ってきた。

実は、修道院を見学するうちに、ある疑問がわき上がってきて、どうしても誰かにききたくなり、再び、あの親切なお兄さんに尋ねてみることにしたのだ。

「修道院の人たちは、一体、どうやって水を得ているのか?」「雨水を集めたり、もしくは、どこかに水脈・水源などがあったりするのか?」

質問をすると、彼は「昔は雨水も集めていたと思うけど、今は●●から水をポンプで汲み上げているんじゃないかな?」と言った。わたしが「●●って何?」と尋ねると、彼は「pool(プール)」と別のやさしい英単語に言い換えてくれ、手近にあったペットボトルを取り上げると、ペットボトルの底を指さし、水が溜まっている様子をジェスチャーで伝えてくれた。

なるほど!(笑)

(おそらく)貯水槽/貯水池から、ポンプで水を引いている、ということなのだろう。アギオス・ステファノス修道院では井戸を見かけたが、それは古い時代のものを、今もサブ的に使用している、ということなのだろう。

アギオス・ステファノス修道院 井戸(ズーム写真)

 

しかしながら、わたしはまだスッキリしていなかった。

「修道院巡りの途中で、岩の間から水が流れ落ちている場所を見たので、その辺に、水脈があるのかなぁと思って…」と言うと…

あー、そいつは2、3日前、ここいらで日中、ずっと雨が降り続いていたから、今頃、その雨水が岩の間から流れ出てきたんだよ

と、お兄さんは言った。

へぇー!

わたしは、彼の説明に感心・納得すると同時に…

(メテオラは雨だったのかーーー!)

と、衝撃を受けた。

そんなやり取りの後、わたしはもう一度、お兄さんにバスのことを確認し、お礼を述べて広場の木陰へ戻ったのだった。

束の間のわかれ

移動販売車のお兄さんには、いろいろお世話になったなぁと思いながら、木陰の石に腰を下ろし、あとはバスを待つだけだ、と、のんびり思っていると、ふと目の前の、何かせわしない感じに注意が向いた。よく見ると、あの、ドイツからギリシャまでバイクで走りぬけてきたドイツ人カップルだった。とても急いでいるようで、準備が完了次第、すぐにこの場からいなくなってしまうだろう、と思った。

わたしは、すぐに立ち上がり、彼らの元へ急いだ。

お話ができて楽しかった! 良い旅を!

一言、お礼を言うと、何か短い言葉(聞き取れなかった!)を彼らはヘルメット越しに言った。そして、一瞬、アイコンタクトを交わしたと思った後、二人はバイクに飛び乗り、デルフィへと走り去って行った。

さらなる道連れ?

ドイツ人夫妻との、あっという間の別れに、しばらくボンヤリしていると、突然、アジア人の若者に話しかけられ、ビックリした。いつのまにか、わたしの傍らには、マレーシアから来たと言う青年が、立っていたのである。彼は、その日、自分がメテオラに来た経緯を、なぜか、わたしに、屈託のない調子で話し始めるのだった。

つづく

冒頭写真:アギオス・ステファノス修道院からの絶景

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