ひとり旅日記 ギリシャ

女ひとり旅日記 メテオラ アギア・トリアダへの道 ギリシャ旅98

◆メテオラの地図(日本語は加筆しています)

アギア・トリアダへ

さて、ルサヌを見学した後は、アギア・トリアダを目指す。壮大な景色と美しい自然を楽しみながら、自分のペースでゆっくり進む。

ルサヌを横目に見ながら、アギア・トリアダ修道院へ向かう。

 

道端の花々。

メテオラ 野花

 

白・黄・むらさきの野花が咲き乱れている。思わず、カメラのシャッターを切るも、強力な太陽の光によって、花の色が飛んでしまい、うまい具合に写真を撮るのは難しい。

タンポポとむらさきの花。

メテオラ 野花

 

幻想?

しばらく歩くと、道路脇の岩の隙間から、水がサラサラと流れ出ている場所があった。

え?!

こんな水気のない場所に、どうして?

この水はどこからきているんだろう?

…なんとも不思議な気がしたが、どこかに沼のような場所があるのだろうか、とも思った。

近づいてみると、その水の周りに、たくさんの白い蝶々が飛んでいた。まぶしい光の中、乱れ飛ぶ蝶々の幻想的な雰囲気に、ふわ~っと呑まれそうになったが、体が溶けてしまいそうな熱い太陽の下、すぐに「あー、蝶々も喉が渇いているんだなー」と現実に引き戻されたのだった(笑)。

再び、バイクのおじさん

一人、道を歩き続けていると、前から音が聞こえてきた。

バイクだ!

人恋しさに、思わず歩をゆるめると…

ハロー!

なんと! 先ほど、ルサヌの道案内をしてくれたおじさんだった!

ヤーサース!(こんにちわー!)

わたしも、おじさんに負けないよう、大声で挨拶を返した。

あっという間に、小さくなっていくおじさんの後ろ姿…。それにしても、「不思議なおじさんだな、何をしているんだろう」と思った。

ひょっとして、パトロールしてくれていたのかな…?

ありがとうー!

分かれ道2

分かれ道は何度来ても、慎重になった。わかりにくい道ではなかったけれど、何度も地図と照合し確認する。この1つの間違いが、取り返しのつかないことになる可能性があった。この炎天下、熱中症で倒れても、人が通りかからない限り、SOSは呼べない。

それに、途中で間違いに気づき「引き返す」となった時の「絶望感」は想像もしたくなかった。一歩一歩、歩いて来た、今にも熱気で蒸発しそうな道のりが「間違いだった!」なんて、一体、誰が素直に認められるというのだろう?!

奇岩の上へ

アギア・トリアダ修道院に向かう途中に、道路から崖方面に張り出した、広い眺望エリアがある。ここでは、たくさんの人たちが、奇岩の上に降り立ち、絶景を楽しんでいる。ここに来て、ようやく人々と合流することができ、わたしは何とはなしに嬉しくなった。

メテオラ 奇岩の上からの絶景

 

ゴツゴツした岩を乗り越え、崖のふちまで近づく。もちろん、柵はない。自己責任である。かなり先端まで行って岩に腰掛けている、勇気ある人々もいたが、わたしは手前の広々とした一枚岩の上で満足した。

メテオラ 奇岩の上にて

 

周りには数人の人たちがおり、お互いに写真を撮り合った。わたしの写真を撮ってくれた男性はオランダから来た人だったので、「オランダと言えば、風車とチューリップだね!」と言うと、彼はおどけて「よく知ってるねー!あと…木靴もね!」と言って笑った。なんでもない会話が、とても楽しかった。最後に彼は「ねぇ、サンキューって日本語で何て言うの?」と尋ねてきた。「”あ・り・が・と・う”だよ!」と言うと、彼は「アリガトー!」と手を振ってきたのだった。

とにかく、メテオラの壮大な景色は、世界中から訪れた、全ての人たちを感動させ、高揚させていた。

わたしの心も、今や、はちきれんばかりだった。

つづく

冒頭写真:眺望エリアからの絶景

 

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