ひとり旅日記 ギリシャ

女ひとり旅日記 コリントス遺跡 見学の開始 ギリシャ旅178

駐車場からの遺跡見学

実を言うと、コリントス遺跡の見学は、入場する前からすでに始まっていた。というのも、遺跡群にぐるっと囲まれた駐車場の柵越しに、グラウケの泉、アポロン神殿、古代劇場、オデオンを見ることができるからだ。中でも、オデオンや古代劇場跡は駐車場(および、駐車場周辺の道路)からしか見れないので、注意が必要だ。

ローマ時代のオデオン(音楽堂)

この写真は駐車場から撮っている。しかしながら、真横からオデオンを見ているので、扇形の客席がわずかに見える程度でわかりにくい(草も伸びていて見えにくい)が…

コリントス遺跡

 

…駐車場を抜けて遺跡前の道路(ちょうど下写真の青い円辺り)に移動すれば、真正面からオデオンを見学でき、背景にはアクロ・コリントス山もそびえているはずで(残念ながら、旅行当時は気づかなかったが)すばらしい写真が撮れると思う。

コリントス遺跡

 

写真を2枚つなげてみました。

コリントス遺跡

 

グラウケの泉

さて、いよいよ遺跡入場である。最初に目に入ったのは、奇妙な石の建造物。

コリントス遺跡 グラウケの泉

 

さっそく展示ボードを見てみよう。

グラウケの泉

グラウケの泉(立方体の形をした巨大な石灰岩の塊)は、元々は、神殿の丘から西に伸びる、石灰岩の長い尾根の中にあったもので、周囲の岩盤が切り出された時に形作られました。

西暦150年頃、コリントスの訪問を書き記したパウサニアスによると、この泉の名前は、コリントス王クレオンの娘であり、英雄イアソンの2番目の妻であったグラウケに由来します。イアソンの最初の妻であるメディアは、嫉妬のあまりグラウケに毒を塗った花嫁衣裳を贈りました。グラウケはその花嫁衣裳を身に着けた後、火だるまになり、泉に身を投げましたが、助かりませんでした。

ピレーネの泉と同様に、グラウケの泉も4つの大きな貯水池と、その前面に配置された3つの汲み池とファサードで構成されています。このファサードは現在では大部分が消失していますが、汲み池の前面を形成するパラペット(低い手すり壁)が差し込まれた切り込み跡は、今でも残っています。

階段の中央に深く刻まれた切り込みは、貯水池を掘る際に生じた石を取り除くためのもので、泉が稼働し始めた際に埋め戻されたと考えられています。グラウケの泉の真北、階段の下には、タイルが敷かれたローマ時代の小さな中庭がありました。

コリントスの他の泉とは異なり、グラウケの泉は自然の泉ではなく、南方のどこかの水源から水道管を引いて水が供給されています。この事実と他のいくつかの点から、この泉は、当初考えられていたアルカイック期のものではなく、ヘレニズム期に属する可能性が示唆されています。

展示ボードより 一部引用し、ざっくり和訳

 

石を積み上げた建物でないからか、どこか奇妙さが漂う建物。

コリントス遺跡 グラウケの泉

 

壁には削られた跡が残っている。

コリントス遺跡 グラウケの泉

 

コリントス遺跡 グラウケの泉

 

階段を中央で分断している切り込み跡。

コリントス遺跡 グラウケの泉

 

グラウケの泉の正面。階段は、もうちょっと手前に長かったのだろうか?

コリントス遺跡 グラウケの泉

 

近づいて見たいけれど、ロープで制限されている。

コリントス遺跡 グラウケの泉

 

別アングルから。

コリントス遺跡 グラウケの泉

 

高くそびえるアクロ・コリントス山を背景に。

コリントス遺跡 グラウケの泉

 

さらに別アングルから。

コリントス遺跡 グラウケの泉

 

松ぼっくりがたくさん落ちていた。

コリントス遺跡 グラウケの泉

 

つづく

冒頭写真:グラウケの泉、コリントス

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