実際の旅では、前日の夜、コリントス入りしました(6月頭)。
1日目:遺跡と考古学博物館を見学
2日目:アテネへ出立(午前中に、アクロ・コリントス山のアフロディーテ神殿跡を見学する予定でしたが、体調を崩し断念)
参考になれば幸いです。
目次
古代コリントスについて(Ancient Korinthos)
古代コリントスの歴史について、現地のパンフレットより引用させて頂きます。
古代コリントスは、古代から中世にかけて都市の要塞として機能したアクロ・コリントスの丘の北斜面で発展しました。この地は、新石器時代から中世にかけて、人々が居住し続けてきた場所でもありました。
コリントスの経済的および芸術的な繁栄は、紀元前8世紀ごろに始まり、バッキアダイ家の支配と2つの重要な植民地:コルキュラとシラクサの設立に結びついています。都市の発展は、キュプセリダイ時代(紀元前7世紀半ば以降)に頂点に達しました。
紀元前5世紀ごろ、コリントスはギリシャの三大勢力の一つとなり、ペルシャ人との戦い全てに参戦しました。ペルシャがギリシャにとって脅威でなくなった後、アテネとの激しい対立により、コリントスは二流の地位に転落しました。
この都市の歴史における重要な出来事としては、紀元前146年のローマ人による徹底的な破壊と、紀元前44年のユリウス・カエサルによる都市の再興が挙げられます。これは新たな繁栄の時代の始まりを示しました。
現地のパンフレットより引用、ざっくり和訳
古代コリントス遺跡と博物館見学
ローマによって町が破壊され、後に、シーザー(カエサル)によって再興された古代コリントス…遺跡にはローマ時代のものが多く残っていますが、その中でも感動するのは、ギリシャの古い時代に建てられたアポロン神殿が、今でも残っていることです。その古さはオリンピアのヘラ神殿を彷彿とさせ、その姿を見学できるのは本当に幸運です。
古代コリントス遺跡
遺跡について、現地のパンフレットより引用させて頂きます。
この遺跡では、岩山の上に建てられたアルカイック期のアポロン神殿が圧倒的な存在です。この神殿は、一枚岩でできた柱:6×15本を備えたドーリア式の周柱式神殿です。
この神殿の周りでは、商業や文化、宗教が町の中心として発展し、それらには、アゴラや聖域、神殿、劇場、泉、公共建築物が含まれていました。
神殿の西側には、元々最初の建築が紀元前5世紀に遡る劇場と、自然の岩に彫られたグラウケの泉がありました。
神殿の南側には、主要なアゴラが広がり、両脇には商店やストアが並んでいます。アゴラ中央部の南端に沿って並ぶ商店の列の中央には、聖パウロが西暦52年にコリント人に説教したベマ(演壇)があります。
舗装されたレカイオン通りは、アゴラから記念碑的なプロピュロン(前門)を通って港へと続いています。この街道の左右には、アポロンのぺリヴォロス(壁などで囲った地)、記念碑的なピレーネの泉など、様々な建物が建っています。
現地のパンフレットより引用、ざっくり和訳
コリントス遺跡の地図(パンフレットより)
1. 南バシリカ
2. ブレフテリオン(会議場)
3. 南ストア
4. ジュリアンのバシリカ
5. 中央ショップ
6. ベマ
7. メインアゴラ
8. ローマ神殿
9. 西側の商店
10.神殿 E (オクタヴィアの?)
11.考古学博物館
12.神殿 C (ヘラ・アクライアの?)
13.グラウケの泉
14.オデオン(音楽堂)
15.劇場
16.北マーケット
17.アポロン神殿
18.北西側の商店
19.プロピュロン(前門)
20.ピレーネの泉
21.アポロンのぺリヴォロス
22.バシリカ
23.エウリクレスの浴場
24.半円形の建物
現地のパンフレットより引用、ざっくり和訳
コリントス考古学博物館
考古学博物館について、現地のパンフレットより引用させて頂きます。場所は、遺跡の中にあります(遺跡の地図の11番をご参照下さいませ)。
博物館には、古代コリントス地域の発掘調査で得られた豊富な出土品が収蔵されています。
展示室Iには、この地域の先史時代の建造物から出土した陶器、小像、道具などが展示されています。展示室IIには、幾何学様式期、アルカイック期、古典期の遺物が展示されています。展示室IIIには、ローマ皇帝の彫像、床モザイク、壁画、ローマおよびビザンチン様式の陶器が収蔵されています。
アスクレピオスの展示室には、主にコリントスのアスクレピオスの聖域からの奉納品が展示されています。
◆博物館の地図(日本語など加筆しています)
![]()
現地のパンフレットより引用、ざっくり和訳
コリントス市内からの行き方(公共バス)
市内のバス停から所要時間は20分ほどです。時刻表はこちらです。同じ場所に他の路線のバス停もありますので、遺跡行きのバス停を確認して乗りましょう。バスチケットは近くにいる販売員から買ってください(キオスク(ペリプテロ)で買えるかと思いましたが「ここではない」と言われ、遺跡行きバスのチケット販売員を案内されました。わからなければ、尋ねてみて下さい)。
注意点
1.水を携帯しましょう。小腹を満たすもの(アメなど)の持参もオススメです。
2.考古学博物館内の写真撮影は、かならず事前にルールを確認しましょう。(旅行当時:フラッシュは禁止、撮影はOKでした)
3.帰りのバス停の位置を遺跡のチケット販売窓口で確認することをお勧めします(恐らく、コリントス遺跡入口前の道路の右手奥(遺跡を背にしたら左手奥)の歩道にボロボロのバス停があるはずです)。コリントス遺跡の入口と出口は離れているため、少々歩きますが、帰りは入口近くのバス停から乗るのがわかりやすく賢明です(出口付近のレストランで、違うバス停を教えてもらいましたが、住宅地の中を炎天下20分さまようも見つからず、迷子になってしまいました)。
4.バス停には時刻表はありませんので、事前にネットで確認が必要です。1本逃すと数時間、便がないこともありますので、注意しましょう。
5.遺跡内で犬を見かけても、近寄らず、速やかに離れるようにしましょう(野犬ならば、狂犬病のリスクがあります)。
その他
イスモス(地峡)とコリントス運河について
イスモスとは地峡という意味で、古代からペロポネソス半島とギリシャ本土を結ぶ大事な交通の要所でした。開削が何度も行われるもうまくいかず、そこで、この地峡に運河を作る計画がローマ皇帝ネロ(!)から始まり、1882年に削石開始、11年後に完成したそうです。
幅23メートル、高さ80メートル、長さ6キロメートルの運河で、橋上から圧倒的な眺めを楽しめるそうです。
実際の旅で
ガイドブックに「運河を歩いて渡る」方法も出ていましたが、わたしは、イスモスからアテネへ向かうバスの車窓から運河をチラ見しました。一瞬ですので、見たい方は気を抜かぬよう、車窓の景色に集中されることをお勧めします(笑)。
ベニゼル広場
コリンティアコス湾の海沿いに面した広場で、古代コリントスのシンボルであったペガサスの像が立っています。遺跡や博物館見学で疲れた体を、潮風でリフレッシュするのも良いでしょう。
実際の旅で
街中で広場への行き方を尋ねた際、「ベニゼル広場」では通じませんでした。地元民は「ペガサスの広場/公園」と呼んでいました。もし通じなければ、ガイドブックの写真を見せたり、「ペガサス像」というワードを入れて尋ねると良いと思います。
繁華街
ベニゼル広場の近くには、しゃれたバーやカフェ、洋服屋、雑貨屋、スーパーなどが並ぶ小路があります。街路樹が植わり、美しい通りです。時間があれば、お散歩するのもお勧めです。
●冒頭写真:アポロン神殿、コリントス遺跡にて