再び、フォロロマーノ(古代アゴラ)
ヴェルギナからテサロニキに無事戻り、ホテルで小休憩をとるも、まだまだ外は明るかった。そこで、前回ミサで見学できなかったアギオス・ディミトリオス教会の地下聖堂へ行ってみることにした。
教会へ行く途中に現れる、フォロロマーノ(古代アゴラ)を横目に見ながら、坂道を上る。町中に突然現れる遺跡で、広大な土地を占めているのだが、中を突っ切ることはできない。周りこんで坂を上るようになる。周囲の道には、おびただしい数の車がびっしりと駐車していた。
下の写真は、古代アゴラの中のオデオン。
アギオス・ディミトリオス教会
遺跡を通り過ぎると、坂上(さかうえ)の真正面に茶色い建物が見えてくる。これがアギオス・ディミトリオス教会で、ちょうど建物を真横から見ている感じになる。
正面から見た教会。
教会の中に静かに入ってみる。美しく装飾された台が、入口付近に置かれていた。
教会の荘厳な静寂の中を一通りめぐってみると、奥の方に下に降りていく階段があった。これがおそらく、地下聖堂へ行くための階段なのだろうと思ったが…
えっ?!
なんと、クローズしている!!
外は明るいとは言え、もう夕方の5時ごろであった。見学時間は終わってしまったのだろうか?! ショックではあったが、気を取り直す。今日がダメなら、明日がある! 明日はメテオラに向けて旅立つ日だが、夕方までは、まだまだテサロニキを楽しむつもりだった。
明日はかならず見学するぞー!!
と、心の中で固く誓う。
外に出てみると、脇で教会の販売コーナーのようなものが即席で設けられていた。ちょうど、教会のスタッフに地下聖堂のことを尋ねてみたいと思っていたところだった。わたしはすかさず「地下聖堂を見学したいのだが…」と販売スタッフに声をかけてみた。
すると、一瞬、彼は顔をしかめたが、しかし「明日の午前中に来なよ、見学は2時半までだから」とガイドブックにも載っていない、有益な情報を教えてくれた。
そうだったのか!
わたしは、これで2度も見学し損ねた理由が明らかになり、頭の中の雲が取り払われた気分になった。
エフハリスト!(ありがとう)
彼にお礼を言い、教会を後にした。
外はまだまだ明るく、ホテルに帰ってしまうのは、もったいない。わたしは次の目的地、ロトンダへ向けて歩き出した。
冒頭写真:アギオス・ディミトリオス教会