ひとり旅日記 ギリシャ

女ひとり旅日記 メテオラ 最後の夜 ギリシャの旅105

デジカメのメモリー

日中かけて歩いた修道院めぐりの道を、バスはあっという間に走り抜けると、カランバカの町に到着した。出発地点であるタウンホール広場が見えてくるも、バスはそこでは止まらず、町はずれにあるバスターミナル付近で止まった。よってラッキーなことに、わたしは、バスの小さな事務所をすぐに発見でき、翌日のバスチケットをそのまま買うことができたのだった。

それにしても…

わたしは、一人、ホテルへ向かう道すがら、心の中でつぶやいた。

本当にあぶなかった…

わたしは、修道院めぐりの途中で、いきなり写真が撮れなくなり、血の気が引いてしまうような体験をしたことを、思い出した。

(以下、回想シーン)

デジカメ画面の右上の数字、「0」。それが写真の残数であることに、まったく気づかなかったわたし…

ぅわぁぁーー!

こんな、絶景だらけの場所で…

なーんでメモリーがなくなるのおぉぉぉーーー!

もちろん、奇岩の山の中で、メモリーカードなど売っているはずもなく、結局、30枚ほど撮った写真を間引き、なんとかメモリーの空きを作ったのだった。事前に、取扱説明書にあった写真1枚のメモリー数を計算して、だいたい、このくらいは撮れるだろう、と思っていたのだが、計算は完璧に狂っていたのだろう(オイオイ!笑)。

とにかく、写真は何とかなった。翌日は、観光の予定はなく、バスで長時間移動するのみだったので、どこかで適当に、メモリーカードを調達できればよかった。

ホテルにだいぶ近づいたところ、ちょうど曲がり角の店が写真屋なのに気づいた。もう、お店は閉まっていたが、翌朝、買いに行こうと思う。そして、細い道へ入る前の小さな雑貨屋で、水とお菓子を買って帰ろうとしたところ、電池類が売られているのが目に入った。

もしかして…?!

わたしは、デジカメから慎重にメモリーカードを取り出すと、「ボロ・ナ・アゴラソ・アフト?(これ、買えますか?)」と、店主に尋ねてみた。すると、「これだね」と壁にかかっていたメモリーカードを出してくれた。思わぬところで、メモリーカードが見つかってラッキーだった。しかも、買う前に試し撮りもさせてくれ、本当に親切だった。

これで、当分は、たくさん写真が撮れる!

わたしは、ホッとすると同時に、とても楽しい気分になった。思わず…

エフハリストー!(ありがとーう!)

と、店の敷居をまたぐ直前くらいに、上機嫌だったからか、腹の底から(外国人のように)大きな声が出て、すれ違うお客さんと思いっきり目が合って、笑われてしまった(笑)。

夕食

一旦、ホテルに戻り、休憩した後、どこかで夕飯を食べようと思った。何となく、人工滝のある、タウンホール広場のレストラン地区とは逆方向へ、探検気分で歩いてみると、広場があり、その角にガラス窓の大きなレストランがあった。

メテオラ、最後の夜の食事は、ここで決まり。

さあ、これは何でしょう?

メテオラ

 

じゃーん!

メテオラ

 

こちらがメニューです。次の3つの中からお選びください(笑)。

メテオラ メニュー

 

正解は、真ん中のスタッフド・ズッキーニ! ズッキーニの詰め物である。野菜の詰め物と言えば、トマトやピーマンの詰め物を思い浮かべるが、ここに来て…

ズッキーニ?!

と、少々驚いた。が、せっかくなので、注文してみることに。お肉や卵も入っていたので、バランス的にも良さそう。

肉厚なズッキーニはやわらかく、とろみの付いたソースは、控えめで優しいお味だった。

メテオラ

 

ごちそうさまでした!

つづく

冒頭写真:メテオラ アギオス・ステファノス修道院(ズーム写真)

今回、ブログを書くにあたり、好奇心から「ズッキーニの詰め物」をグーグル検索してみました。まず、ギリシャ語「κολοκυθάκια γεμιστά」は約35万件のヒット、英語「stuffed zucchini」は約3390万件(!)、日本語「ズッキーニの詰め物」は約62万件、「スタッフドズッキーニ」約25万件のヒットでした。

面白かったのは、英語で検索した際、ズッキーニの中ではなく、上に具材が乗っている写真が大量に出てきて「これは、詰め物じゃない!」と思いました(笑)。しかしながら、作り方の動画を見ていると、半分に切ったズッキーニをくりぬいて具材を入れていましたので、やはりズッキーニの詰め物なんだ!と納得しました(笑)。

また、英語検索のヒット件数が異常に多いのは、世界中の「ズッキーニの詰め物」料理がヒットしているようで、イタリア版、スペイン版、トルコ版などがありました。

作り方の大きな違いは、英語版の上乗せタイプは、最後にオーブンで焼いて仕上げますが、ギリシャ版の中に詰め込むタイプは、具を詰め込んだズッキーニを鍋で茹で煮します。その間にソースを作り、最後鍋から取り出したズッキーニにソースをかけて頂きます。作り手により、微妙に違いますが、ズッキーニを茹でただし汁を、ソースに利用するレシピもありました。

今は、外国の料理動画を簡単に見ることができて、楽しいですよね。見ているうちに「ズッキーニの詰め物」が食べたくなってしまいました(笑)。

 

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