クノッソス宮殿跡へ
目的地を告げてバスに乗ってしまえば、あとは楽である。クノッソスでバスを降りたのは、ほんの数人だった。遺跡の周辺にはみやげ屋があり、駐車場にはたくさんの車が停まっている。その一角だけが周囲から浮いているので、バスから降りたら、迷わず遺跡へ行くことができる。徒歩2,3分ほどだ。
紫の花の大木
わぁ!
駐車場には紫の花が満開の、すばらしい大木があった。あまりに美しいので、思わず写真に撮ってみる。
美しい花ゆえ、すばらしい香りが漂ってきそうな気もするが、残念ながら香りはないようだ。この木はだいぶ昔に、スペインで見かけたことがあった。日本にも生息しているのだろうか?(まだ日本では、見たことがありません)
宮殿跡 入場 サプライズ!
入り口でチケットを買う。中に入ると・・・動物の鳴き声が聞こえた。
な、何の声?!
人々の視線の先を見てみると、なんと孔雀!! 孔雀が宮殿跡を歩き回っている!!
思いがけないサプライズに、またまたカメラのシャッターを切る。
宮殿見学に来たはずだったが、花や鳥の写真を嬉々として撮っている自分に笑う。ま、のんびり、ひとり旅ならではの脱線だ。
宮殿跡 見学
入場すると、中は広いので、どこから見ていいのか、一瞬とまどう。人気がある(人が集中している)のは、壁画がある場所(屋内、屋根がある場所)だ。団体客とのタイミングを計りながら、臨機応変に経路を工夫するのが良いかもしれない。
ここの遺跡は、一部、コンクリートなどで手が加えられ再建されている。批判もあるようだが、悪くはない。当時の雰囲気を、誰にでも味わえるよう、工夫がされている。
デッキの通路から、建物を斜め上から見学することができる。階段と石の壁、窓の様子が、サントリーニのアクロティリ遺跡を思い出させる。
出土した壁画から、柱は赤く塗られていたのだろうと推測されている。
こんな風に、建物の中に足を踏み入れて見学できる場所もある。
壁画とツーショット写真を撮れた人はラッキーかも!
さりげなく置かれた大甕(おおがめ)が雰囲気を出している。
宮殿の中庭跡に人が集まっている様子。周囲は緑が広がり、のどかな場所である。
壁画の部屋の様子。ここには数点の絵(レプリカ)が飾られ、見ごたえがある。有名な「牛跳び」、「青の婦人たち」が含まれる。(**一部、写真にガラスが反射しています。お見苦しい部分、ご容赦ください**)
先頭の男性と後に続く男性たちの皮膚の色が違っている。
宮殿の女性たち。何を話しているのだろう?
青いサル! サントリーニのアクロティリからも青いサルの壁画が見つかっている。
牛跳び。両側の人は白い肌。もしかして女性?!
ユリの王子の壁画(レプリカ)
美しい壁画の一つ。左手は何を引いているのだろうか?
牛の壁画。当時もこんなに鮮やかだったのだろうか?
王座の間。体はライオン、頭は鳥の架空の生き物、グリフィンが描かれている。
ジャイアント・ピトイの倉庫(展示ボードの写真)、右側の甕(かめ)は人より大きい。まさに、ジャイアント!!
復元された列柱が並ぶ。
女王の間のイルカの壁画は有名。この壁画の右方向に「踊る女性」の小さな絵もある。
女王の間を上から見たところ。こんな風に、ガラス越しに見学し、写真を撮れる。
東の要塞に続く階段に、雨水の排水路を発見。精巧に作られていて感心。階段横の勾配のある排水路を流れてきた雨水の勢いをそぐため、(もしくは、ゴミを沈殿させるため?)四角い溜まり場が作ってある。(それと、水路とは関係ないが、階段下の石畳の形が奇妙で気になった)
東の要塞の全体図(展示ボードより)
もう一つ排水路を見つけた。
劇場(の雰囲気に似ている?)エリアと王道。ここは自由に歩ける。
遺跡の階段で休む人たち。ちょうど木陰になっている。5月中旬の午前中とはいえ、太陽の熱は容赦ない。ジリジリと肌が焼けてくる。
牛の角を表すオブジェ。
エヴァンス像にたどり着き、そして、紫の花の大木が見えてきて、いつの間にか見学が終わったことに気づく。強い日差しの中、広大な敷地を歩き回るのは、体力勝負である。木陰は敷地のはじっこにしかないので、真夏の見学は注意が必要だろう。飲み水は、もちろん必須である。
旅行前に、トイレの環境について、本で読んでいたのだが、何も問題はなかった。特に並ぶこともなく、ラッキーであった。朝一の見学にし、なおかつ、旅行の時期がミドルシーズンだったのが良かったようだ。
宮殿跡を見学して思ったのは、(コンクリート製の柱や角のオブジェなどを含む)部分復元と壁画(レプリカ)の数々が遺跡に設置されているので、宮殿の独特の雰囲気がわかりやすく楽しめた、ということだ。(例えば、建物を見れば、建築には石材だけではなく、木材も使われていたのだとわかるよう、部分復元されている)
そして、もう一つ、クノッソスの、迷宮と呼ばれるにふさわしい広大で複雑な宮殿と牛の神聖視が合わさり、ラビリンスの神話が語り継がれてきたことも忘れてはならないだろう。そして、逆に、神話と思われていたラビリンスを、自分の手で発掘したエヴァンスは、どんなに驚き、たまげたことだろう!!と思う。他に類を見ない、特殊で特別な場所/遺跡である。
っはー!
見終わった後の心地よさに包まれる。
・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
さぁ、次は、考古学博物館だ。
イラクリオン旧市街へ戻るぞー!!
クノッソスのすばらしい宝物が眠る博物館に、期待で胸がふくらまないわけがなかった。
クノッソス宮殿跡の詳細はこちらです。