センチメンタる…
この美しい、ナフプリオンの夕暮れを目にできるのは、なんと、今日が最後であった。
明日の夕暮れ時には、もう(自分は)ここにいないんだな…
そう思うと、切ない気持ちで胸がいっぱいになったが…わたしは、意を決して立ち上がった。そして、手慣れた常連らしく、ビーチの施設の裏にある松林の小道を上り、駐車場の先にある海辺の散歩道を目指した。
写真下:ビーチの施設に咲いていた花々
5月末、幸運にもバラの花咲く季節だった。
今日は「見える日」
険しい岩壁がそびえ立つ、サボテンと松の木が混在した海沿いの小道「海辺の散歩道」。
岩のトンネルをくぐり抜け、イワツバメが飛び交うエリアを通り抜け、おしゃれな外灯を道なりに右へ曲がると、真正面に太陽が沈む山々の、大パノラマが開けてくる。
同じ場所だけれど、毎回、違った美しさに感動するのだが、今日、3日目にして、新しい発見があった。
最初は、山の上に何かあるような、でも、ぼんやりとして気のせいかと思ったが、よ~く見てみると、豆つぶほどの風力発電の風車が、ズラリと並んでいるのがわかった。
うわ、こんなに風車が…!!
空の微妙な具合で、今日は「見える日」だったらしい。
白いブーゲンビリア
海辺の散歩道の岩壁には、サボテンの他、白いブーゲンビリアも群生していた。
この、見事に咲き乱れる白い花々を見て、当時のわたしは、一体、何の花だろう?と疑問に思ったものだった。「ブーゲンビリア=濃いピンクの花」と思い込んでいたからだ。
黄金色にそまる
見えてきたブルジ島。
黄金色に光り輝く、穏やかで静かな海。
なんて美しい…
贅沢にも、こんな景色をわたしは一人、独占していた。
そして、ベネチアンの要塞付近にたどり着くと、散歩道を降り、海面近くへ寄ってみることにした。
波はなく、静かな波紋が広がるのみ。
そして、落陽。さえぎるものは、何もない。
なんて美しい…
嘘、偽りのない、まっすぐな美…
もはや、心が震えて、ひれ伏すしかない、降参するしかない、そんな美しさだった。
写真下:先ほどの要塞の、5つの大砲が見えてきたところ。
灯がともり始めた。
落陽(写真を2枚組み合わせてみました。不自然な部分はご容赦くださいませ)。
下写真:海辺の散歩道を歩き切り、振り返ったところ(ヤシの木の海岸通りのブルジ島前から海辺の散歩道を歩くなら、写真の女性2人が向かっている小道が、散歩道の入口となります。)
そして、ヤシの木の海岸通りへ。ここは、全ての人々の憩いの場であり、誰もがリラックスして、楽しめる場所であった(こんな美しいところにいれば、もちろん、そうなるだろう)。
下写真:太陽の残光とシルエット。
そして…
ああ、なんて美しい…(冒頭写真、および下写真)
ホテルのオーナーの「Sooooo beautiful!」という言葉が、頭の中でこだまする。
Sooooo beautiful!
まさに、そう。
他に言葉は見つからなかった。
冒頭写真:ヤシの木の海岸通りから見た夕焼け、ナフプリオン