ナフプリオン、到着!
バスは、海沿いの道をナフプリオン目指し、のんびりと走り続けた。さっきまで、断崖スレスレの急カーブを走っていたのが、ウソのようである。全身からドッと力が抜けていく。
あー、下界の、なんと、のどかなことか!
しばらく海沿いのゆるい景色を楽しむも、車窓は、だんだんと賑わいのある景色へ変化していき、ついに、この難関を乗り越えたバスは、無事、ナフプリオンへ到着したのであった。
ブーゲンビリアのお導き
幸運なことに、ナフプリオンのバスターミナルは、美しい旧市街に隣接した、とても便利な場所にあった。着いたのは、夕方6時半を過ぎていたと思われるが、まだまだ外は明るく、日差しは強かった。
ホテルの方角を何となく定め、歩き始めたところ、ひっそりとした細い路地の中程に、ブーゲンビリアの色鮮やかな花が咲いているのが見えた。
なんて美しい!
とても美しい色をしたブーゲンビリアで、わたしの心は躍った。たちまち魅了されると、吸い寄せられるように、わたしは花の木の下に立ち、こんなふうに、ブーゲンビリアの花を仰ぎ見るのは、一体、いつぶりなのだろう…と、しみじみ思った。
そして、ブーゲンビリアを堪能後、さらに、その路地の奥に、雰囲気を一層盛り上げるように、イスとテーブルが並べられているのに気づいた。
わぁ…かわいい!
ナフプリオンに着いて早々、感動の連続であったが、さらに…なんとこの場所に、これから3日間お世話になる、ホテルの看板が掲げられていたのであった。
えぇぇぇーーーー!
飛び上がらんほどに驚き、まさか、こんなかわいい所が、予約したホテルだなんて、と嬉しくなった。
チェック・イン(Polyxenia hotel)
ここでいいんだよね、ここで?!(わー、テンション上がるー⤴)
何度も、ホテルの看板を確認し、扉をくぐる。
中は、居間風の造りになっていて、家具や小物もしゃれていたが「ホテルのレセプション」というよりは「別荘に遊びに来ました~!」という感じの、明るく親しみやすい印象であった。
さて、中に入ると、若い女性が迎えてくれた。
ヤーサス!(こんにちわ)
…と、まずは挨拶を交わす。
そして、わたしが名を告げると、彼女はわたしの顔をまっすぐ見たまま「お待ちしてましたよ!」と、うなずき笑った。
この対応に、わたしは驚き、そして、とても感動したのだった。
実は、わたしは、チェックイン時の、ホテルのレセプションのやりとりが苦手で、緊張してしまうのだが、彼女の頭の中にはゲストの名が記憶され、こちらを緊張させることなく、リラックスした、心温かい、歓迎の意のこもったチェック・インをしてくれたのだった(後から思うと、客室数の少ないプチホテルならではの「”おもてなし”」だったのかもしれない)。
彼女とは、3日間の旅のプランについて軽く雑談し、バスのことを教えてもらったりした。また、ナフプリオンの滞在を楽しんでほしい、とのことで、旧市街の美しい海岸沿いの散歩道のことも教えてもらった。彼女の「Sooooo beautiful!」という言葉に、ぜひ、行かなくては!と思った。
部屋の様子など
わたしの部屋は2階にあった(多分、全室2階にあるのだと思う)。エレベーターはなし。部屋は、可愛らしいアンティーク風にまとめられていた。木の床に敷かれた美しい模様のラグや、彫刻の手の形をした石鹸入れがギリシャの石像を思わせ、印象的であった。残念ながら、わたしの部屋には窓がなく、また、気持ち、部屋が狭い気もしたが、その他は美しく整えられ、3日間快適に過ごせるだろうと思った。
下写真:ホテルの2階の廊下(階段の上に飾られた天使の絵)
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さてと!
すんなりとホテルも見つかり、無事、チェックインも済ました後は、もう、やることはなかった。わたしは素早く身支度を整えると、ホテルのオーナーおススメの散歩道を目指すべく、ナフプリオンの町中へと足を踏み出した。
※ホテルの詳細はこちらをご覧ください。
冒頭写真:Polyxenia hotel、ナフプリオン