女ひとり旅日記　メテオラ　アギア・トリアダなど　ギリシャ旅100

◆メテオラの地図（日本語は加筆しています）

 

歩き組との出会い　2

遠い道のりを一人、カランバカの町へ帰っていく彼女のことを思いながら歩いていると、なんと、前から一人、今度は白人の若い男性が歩いて来た。

この修道院はクローズしてるよ！

彼もすれ違いざま、アギア・トリアダ修道院が閉まっていることを、教えてくれた。出身はベルギーとのことで「（今度こそ）道連れができたー！」と、わたしは喜んでいたのだが、なんと彼も（！）カランバカの町へこのまま帰る、とのことだった。

（えーーーーーー！）

わたしは、すぐさま…

６番目の、次の修道院に行こうよー！

と、彼に言ってみたが、体力が限界らしかった。それでも…

ここから、そう遠くないよー！

と、わたしは粘った（笑）。しかしながら…

だってー、ボク、キミみたいに帽子も持ってないしさぁ…

とのことだった。

（あー、ダメかぁ…、残念！）

モヤモヤ

そして彼も、先ほどの彼女と同様に「カランバカ（町）」と標識の出ている車道へ行こうとした。そこで、わたしは、アギア・トリアダ修道院から出ているトレッキングコースのことを話に持ち出し、そちらの方が近道なのでは？と彼に言ってみた。しかしながら、彼によるとトレッキングコースは7kmあると看板に書いてあったそうだ。

（え？！　7km？！）

そんなはずはない！と思い、あわててガイドブックを取り出し、彼に地図を見せ、縮尺を示したものの、彼は首を横に振りながら…

いやいや、これは道が曲がりくねっているから（近くに見えるけど、実際には距離があるん）だよ

と言った。わたしにはどう見ても、トレッキングコースの方が近いように思えたし、車道の方が、奇岩を迂回してかなりの遠回りになっているように見えたが、それでもトレッキングコースが7kmあると言うのなら、もしかしたら、地図上ではトレッキングコースの曲がりくねった道が、何らかの都合で省略されて描かれている可能性があるのかもしれないし、もしかしたら、この地図の縮尺自体が間違っているのかも（？）とさえ思った。結局、実際に歩いたわけでもない道のことを、これ以上、強く言えるわけもなかった。

町へと歩き去る彼を複雑な思いで見送りながらも、なお、わたしは、カランバカへはトレッキングコースを下って帰るつもりにしていた。しかしながら、最寄りのアギア・トリアダ修道院が閉まっていたのは、痛かった。もし、オープンしていたら、先にアギオス・ステファノス修道院を見学した後、最後にここを見学し、そのまま町へ下るつもりにしていた。そして、その際、このアギア・トリアダ修道院で、トレッキングコースについての情報を得るつもりでいたし、もしかしたら、町へ一緒に帰る道連れもできるかもしれない、と、思っていたのだった。（ガイドブックには、肝心のトレッキングコースの全長や所要時間の記載はなかった）

アギア・トリアダ修道院

しばらくして、アギア・トリアダ修道院のすばらしい全景が見える場所にたどり着いた。（冒頭写真をご覧ください）

あぁ…！

雄大な景色なのは言うまでもなかったが…

美しい！

その優雅な姿に、わたしの胸はトキメキで高鳴った。思わずため息が出てしまう。

修道院の見学はできなかったが、こうして美しい姿を眺めることができて、本当に幸せだった。

写真下：別アングルから見たアギア・トリアダ修道院

 

あっさりゴールイン？！

アギア・トリアダ修道院の姿を、無事、写真に収め、絶景ポイントを通り過ぎようとした時、下の道路から白人のカップルが歩いてきた。

おかしなことに、この修道院、クローズしてたわ～

と、またもや声をかけられたので「今日は定休日なんですよ～」と言うと、彼らは納得したようだった。そして、何となく、そのまま３人で最後のアギオス・ステファノス修道院へゴールしたのだった！　何を話していたのか、すっかり忘れてしまったが、とりとめのないことを話しながらの道中は、やはり時間が経つのが早く、あっという間に感じたのだった。

しかしながら、このままあっさりと、アギオス・ステファノス修道院の見学ができたわけではなかった。なんと、この修道院はちょうどシエスタ中であり、開門までに１時間ほど、時間が空いてしまったのである。が、幸運なことに、その修道院の手前の広場には、１台の移動販売車が停まっていた。

ねぇ、アイスクリームでも食べて、休憩しない？！

賛成ーー！（笑）

新たに道連れとなった女性のすばらしい提案に、わたしたち3人は、移動販売車でアイスを購入したあと、そのまま木陰の特等席へとおさまったのだった。

つづく