ひとり旅日記 ギリシャ

女ひとり旅日記 ティリンス遺跡 城塞の低層部へ ギリシャ旅162

城塞の低層部へ

さて、宮殿の中枢部と倉庫跡を見終わった後は、ふたたび、正門前の坂道を下り、城塞の低層部へ移動する。

下写真:正門前の坂道の石積

ティリンス遺跡

 

下写真:崩れた石積の跡

ティリンス遺跡

 

下写真:石積と何らかの建物の土台跡

ティリンス遺跡

 

歩いて行くうちに、石積みの壁に通路の穴?のようなものを発見。

ティリンス遺跡

 

近づいてみるも…

ティリンス遺跡

 

うーん、何だろう…? 穴の奥に隙間が見えたけれど、通り抜けるためのものではなさそう。見張り用の窓?もしくは、隙間から何らかの攻撃を仕掛けていたのか…?もしくは、保管庫のような場所だったが、石が崩れて隙間が開いてしまったのか…?などと、想像してみる。

下写真:正門へ通じる坂道と窪み(ニッチ)のある石積の壁を振り返ったところ。

ティリンス遺跡

 

遺跡のパンフレットによると、かつて、城塞の低層部の内壁には、尖った丸天井を備えた28もの部屋が建設されていたり、住宅や作業場、倉庫などの建物の複合体が編成されていたという。

しかしながら、今、目にすることができるのは、建物の土台跡のみ。

ティリンス遺跡

 

ティリンス遺跡

 

ティリンス遺跡

 

下写真:写真を2枚つなげてみました(つなぎ目の不自然な部分はご容赦ください)。

ティリンス遺跡

 

また、遺跡のパンフレットには、こうも書いてある。(紀元前13世紀後半に起きた大地震による破壊後)紀元前12世紀には、城塞の低層部にメガロンの形をした建物が聖域として機能した…。

まあ、何となく想像してみる…。

ティリンス遺跡

 

ティリンス遺跡

 

ティリンス遺跡

 

下写真:写真を2枚つなげてみました(つなぎ目の不自然な部分はご容赦ください)。

ティリンス遺跡

 

そして…なんと、ここ、城塞の低層部でも、円形の建物跡らしきものを発見。しかしながら、パンフレットに書いてあった、この丘が要塞化する前に立てられた古い円形の建物は、直径が27メートルあったそうなので、これではなさそう(古い円形の建物は、丘の頂上に建てられたそうなので、先刻、城塞の頂上で見つけたものが、やはり、そうなのかもしれない)。

ティリンス遺跡

 

遺跡の風景写真

案内板や展示ボードがないせいで、のんびり散策気分の遺跡見学となった。難しいことは考えず、何となく、気になったものを撮影し、気ままに歩く。

ティリンス遺跡

 

ティリンス遺跡

 

石積の迫力。

ティリンス遺跡

 

ティリンス遺跡

 

ティリンス遺跡

 

ティリンス遺跡

 

雑談(アルゴス他)

のんびり遺跡内を歩いていると、白人の高齢男性に話しかけられた。彼の口から「アルゴス」という地名が出てきて、わたしはとっさに、ミケーネ遺跡に行く途中、ある地点でバスがしばらく停車したのを思い出した。

そこは、町中のバスターミナルで、わたしは何となく町の様子を車窓から眺めていたのだが、ふと視線を上へ向けてみると、なんと、山のてっぺんに遺跡(!!)があるのが見えた。

(ワーオ!)

その町こそが「アルゴス」だったのである。

彼によると、貴重な遺跡が保存され、その中には古代ローマ人たちのテルマエ(風呂場)などもあり、すばらしい見学ができたそうだ。彼に「キミ、アルゴスは行ったかね?」ときかれたが、わたしは「ミケーネ行きバスの車窓から、チラリと見ただけなんです…(涙)」と答えるしかなかった。

実際、それまで「アルゴスの遺跡」についてはノーマークであったし、わたしのガイドブックには、一言も案内が載っていなかった。残念であったが、ナフプリオンからそう遠くないので(地図上で見ると、ナフプリオンとミケーネの中間地点にある)、余裕があれば、行ってみるのも良さそうである(ちなみに、ティリンス遺跡のパンフレットによると、紀元前5世紀前半に、ティリンスはアルゴスによって破壊され、住民は追放されてしまったそうだ…)。

・・・    ・・・    ・・・    ・・・

アルゴスの話が一段落すると、旅の話になり、わたしはつたない英語でカストロ(パラミディの城跡)で恐怖した体験を、身振り手振りを交えて彼に伝えた(一人旅ゆえ、余計に、誰かと自分の体験をシェアし合うのが、楽しい一時でもあった)。彼は笑ってくれたが、果たして、わたしの話が面白かったのか、(つたない英語をカバーするため)体全体を使って表情豊かに表現するわたしの様子が面白かったのか…は、わからない。

つづく

冒頭写真:城塞の低層部から見えた景色、ティリンス遺跡

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