宮殿の中枢部
相変わらず何の情報もないまま、遺跡見学をしていたが、ここ(下写真↓)が遺跡の一番高い場所で、柱跡や間取りの感じ、中庭だったらしいスペースが、ミケーネ遺跡の宮殿の中枢部:メガロンと重なり、おそらく、ここがティリンスの宮殿の中枢部なのだろう、と思った。
もし、そうならば、柱に囲まれた炉床跡があるはず…と思うも、一面に広がるおびただしい数の、野ざらしの石の残骸に圧倒されてしまう。ミケーネ遺跡でもそうだったが、本当に、想像力が試される遺跡見学である。
下写真:石の土台跡
とにかく「炉床を探してみよう!」と、周辺をあちこち歩き回った結果…
見つけた?!
丸い形の炉床跡に見えなくもない。しかしながら、本当のところ、何なのかは、案内板も展示ボードもないためわからない。わたしは「炉床に違いない!」と思ったが、周辺にあるはずの4本の柱跡は見当たらなかった(後日、自分なりにネットで調べたところ、メガロン前の中庭にあった祭壇跡?の可能性が浮上した…涙💧)。
倉庫エリア
ティリンス遺跡で最も感動したのが、こちら↓
うわぁ!!
一つ一つは粗削りな石であったものの、絶妙なバランスで美しく積み上げられている。天井に向けて傾斜している部分は、コーベリング技法が使われている(持送りアーチとも言うらしい)。見上げれば、石が崩れ落ちてきそうな気もするが、しかしながら、見ている分には、本当に美しい。
下写真:アーチの部分
同上(ズーム)
サイクロプス(キュクロプス)式石積の迫力!!
下写真:天井部分
光が差し込んでいる様子。
あー、この中を歩けたら!と思ったが、ここは立入禁止。
当時、わたしは単純に「美しい回廊だな」と思って見学していたのだが、後日、自分なりにネットで調べてみると、この通路(英語では「gallery(ギャラリー)」と呼ばれている)は複数の倉庫(貯蔵室・保管室)に面していたらしい。おそらくではあるが、現在、光が射しこんでいる各々の場所が、各倉庫室へ通じる入り口だったのかもしれない。
だとすれば、昔は、光が射しこむ余地もない、真っ暗な場所だったということになる(遺跡のパンフレットによると、こうした”通路&倉庫室”が、遺跡の東側と南側に造られていたそうである)。
冒頭写真:倉庫エリアの通路(gallery:ギャラリー)、ティリンス遺跡