◆メテオラの地図(日本語は加筆しています)
ヴァルラーム修道院へ
次に向かうヴァルラーム修道院は、メガロ・メテオロンから近い場所にある(メガロ・メテオロンよりヴァルラームのすばらしい眺めが見られるほど近い)。
メテオラに来る前は、修道院巡りは、岩上の細い山道を歩くのかと想像していたが、実際は、りっぱなコンクリートの車道が通っており、歩行者はその車道の脇を歩くようになっている。よって、その道を歩く限り、足場が悪くて歩きにくい、ということはない。
下写真:路上から見えるヴァルラーム修道院。
誰もいない
しかしながら、メガロ・メテオロンでは、あんなにたくさんの人々が見学していたのに、ヴァルラームへの道を歩いているのは、なんと、わたし1人だけだった。
え?!
確かに、事前に得た情報では「かなりキツイ」「足が限界に近づく」「歩いているのは日本人くらい」などとあったが、それにしても…
なぜ1人?!
なんだか、納得がいかなかった。
もちろん、「足が限界に近づく」などと言われれば、不安がないわけではないが、しかしながら、わたしはもう、踏み出したのであり、もう誰がなんと言おうと、行くしかないのであった。
アメ、パステリ(ゴマをハチミツで固めたギリシャのお菓子)、そして水…
わたしは、これらが入った肩掛けカバンの上に手をのせ、まるで、それらがお守りであるかのように強く思った。
道端の花々
メテオラのウォーキングで癒されたのは、奇岩の絶景ばかりではなかった。歩いたのはコンクリートの車道だったが、その道端には、たくさんの花々が咲いていた。(幸運にも、訪れた5月下旬は花の時期だったのだろう)
ヴァルラーム修道院に到着
メガロ・メテオロンと同様、いったん車道を下ってから、崖に造られたヴァルラーム修道院の階段を上がって入場となる。
ヴァルラーム修道院は美しい修道院であったが、その前に見学したメガロ・メテオロンが、あまりにも大きく、あまりにも繁盛していたので、どうしても、その差を感じずにはいられなかった。
屋内見学後、庭からの景色を眺めようと中庭に出たが、ちょうど修復工事が入っており、いたるところシートが被せられていた。よって、写真を撮る雰囲気ではなかったが、ちょうど中庭を出る時に、黒い服を着て、長いヒゲを生やした修道士とすれ違うことができ、それが印象深く記憶に残った。
実は一瞬、「あいさつを…」と思ったのだが、すぐに思いとどまった。女性はロング・スカートの着用義務があり、布の貸出があるくらい徹底したルールがあるし、世俗を離れ、修行中である彼の迷惑になってはいけないと思ったのだった。(これで良かったのかは、わからない)
下写真:ヴァルラーム修道院の崖の階段から見た風景
冒頭写真:路上から見たヴァルラーム修道院