こちらは、「ロードス旧市街 考古学博物館(5)」です。「ロードス旧市街 考古学博物館(1)」はこちらです。
” ”内は博物館の展示ボードより、一部引用し、和訳したものになります。
異文化の名残
中庭のモザイク床を見終わると、博物館見学も、残りあとわずかである。
中庭にはこんなものもあった。
涼し気な水の音が、暑さを癒してくれる。
独特の窓の格子(上方)と色とりどりのクッション。
天上の六芒星。風呂場の天井。
墓石のレリーフ
いよいよ、博物館見学のラスト。石像と墓石のレリーフのセクションだ。
いくつか見てみよう。
若い兵士のレリーフ。
装飾付ペディメント(切り妻型屋根の破風部)のある墓碑
古代ロードス(karakonero)のネクロポリス(墓地)の東部より出土。 クラミュス(マント)を身に着けた若い兵士が兜を手に持ち支柱に寄りかかっています。ペディメントのティンパナム(三角形の装飾壁)の中央には、重装歩兵の墓によくある紋章の、盾の浮彫が施されています。 紀元前2世紀
カリアリスタ(kalliarista)の墓碑
古代のネクロポリス(墓地)の西部にある、ロードスのkizil tepe(現在のanalipsi)で発見されました。
亡くなった女性は椅子(ディフロス)に座り、召使いは向かい側に立って女主人の宝石が入った小箱を抱えています。ペディメント(切り妻型屋根の破風部)の下の梁材にエピグラムが刻まれています:
もし、女性をほめたたえる最高の言葉がこの世にあるのなら、フィレラトスの娘、死したるカリアリスタは、その知性と美徳ゆえ、最高の称賛に値した。それゆえ、夫、ダモクレスは愛する人の追悼として、この墓石を建立す。・・・
・・・紀元前4世紀半ば少し前
ベール(kalyptra)をかぶった女性の胸像
おそらく、大きな墓碑にあったとされる像。 紀元前4世紀後半
袖付きのキトンを身にまとった座っている女性像の胴体部分
墓碑の一部で、おそらくシミから出土したもの。身体の肉付きを穏やかに描くひだは、アッティカ様式の繊細さと優雅さで表現されています。
紀元前4世紀初頭。
こちらは、特に、見た瞬間、美しさに目を奪われたレリーフ。母娘の今生の別れを描いた作品。感情を揺さぶられる。
二人の頭上にそれぞれの名前が彫られているのがわかる。
クリト(Krito)とティマリスタ(Timarista)の浮彫の墓。
カミロスの墓地で発見されました(Makry langoni)。亡くなった母親ティマリスタと娘クリトの立ち姿(別れを惜しむ様子)・・・が描かれています。
めずらしいアーチ型の装飾を備えた石碑の形状、浅浮き彫りの柔らかい表現、感情的な激しさを表している場面は、イオニア式作品の特徴を表しています。
紀元前420年~410年
余談(ひとりごと)
肉眼で、一目見てみたい、とずーっと思っていたのが、若い兵士のレリーフだった。
博物館見学中、なかなかたどり着けず、ひょっとしたら、展示から外されてしまったのか、あるいは、部屋を飛ばしてしまったのか、と思ったりしたが、最後の最後、やっと出会うことができた。
ホッ!
思っていたより、小さなレリーフだった。残念ながら、描かれた人物については、何もわからなかった。
ここで博物館めぐりは、無事、終了。
丁寧に見てまわると、なかなか大変だが、歴史的建物の重厚感、すばらしいコレクション、美しい中庭・・・など、価値ある時間を過ごせて大満足!!
思い残すことなく、博物館を後にした。