西の商店群
さて、神殿Eから歩を進めると、見えてきたのはアーチ型の入口のある建物(後ろにはアクロ・コリントス山がそびえ、ここでも美しい写真が撮れる)。
この石の建物は、フォロロマーノの西側に位置することから「西の商店群」と呼ばれている。また、隣接する神殿Eの聖域を囲む東側の壁も兼ねていたらしい。
(上写真の拡大↓)ちょうど商店群の向こう側(西側)に、神殿Eの短い柱が3つ見えていた。
(自分なりにネットで調べたところ)西の商店群は、神殿Eの境内への入口である幅の広い階段の両側に6店舗ずつ横並びに並んでいたそうだ。そして、店舗の両端には四角い塔が建っていたそうである。建立は、西暦1世紀、アーチ型の天井だったそうだ。
下の図は、遺跡の地図に加筆したもの。店舗の前には、列柱が並んでいたのがわかる。
こうして見てみると、神殿Eの入口は大きくて立派だったことがわかる。商店が軒を連ねていたのも、神殿E前の道路は人通りが多く繁盛していたことの証かもしれない。とにかく、今の遺跡の状態からは想像できない神殿E聖域の規模の大きさから、重要な神殿だったことは間違いなさそうだ。
それでは、商店群を見てみよう。
美しいアーチ。
中はこんな感じ。遺物が納まっている。
アーチを描く天井。
かつて店舗前に並んでいた列柱の柱頭が置かれている。
こちらの店舗にも遺物が保存されている。
こちらは小さな窓があるだけの店舗。
チケット窓口的な…?(笑)
上部には、模様が刻まれた美しい石がはめ込まれている。ひょっとしたら、周辺から拾われ再利用された石かもしれない(4世紀中ごろ起きた火災から、西の商店群は再建されたそうである)。
アーチを描く天井。
商店群の端っこ。これ以上はロープがあって進めない。ここに塔があったのだろうか?
西の商店群付近の柱頭
黒っぽいのは、火災のせいだろうか?
鳥が刻まれている。
十字架?
天使…?!
フォロロマーノ周辺
西の商店群手前の石の遺物。フォロロマーノ西側に建っていた神殿のものだろうか…?
これは何だろう? 水に関係あるのだろうか?
こちらも…? 溝が石で蓋(ふた)をされているように見える。
サークル状の石。こういったものは、今までも複数の遺跡で見かけてきたが、何に使われていたのか、気になるところ。
遺跡の文字シリーズ
何とか読み取れた字「SACERDOS」。後日、何気なくネット検索してみると…ラテン語で「司祭」「聖職者」と出てきて驚いた。偶然だろうか?
美しい建築物の断片。両端前に置かれた柱頭の彫刻も繊細で華やか。
こちらもネット検索した結果…おそらく最初の文字は「IMP CAESAR」と推測でき、IMPはラテン語のImperatorの略語、ローマ皇帝が用いた称号だそうである。
CAESARも(ジュリアス・シーザーを思い出し、思わずドキッとしたが)皇帝たちに代々引き継がれた皇帝の称号とのこと。「DIVI」はラテン語で「神の」「神聖なる」という意味らしい。
つづく
冒頭写真:西の商店群とアクロ・コリントス山。