ひとり旅日記 ギリシャ

女ひとり旅日記 ロードス島 カミロス遺跡 4 ギリシャの旅55

” ”内は遺跡内の展示ボードより、一部、引用し和訳したものになります。

貯水槽

神殿跡を見たあとは、再びストアの前に戻ってきた。深さのあるプールのようなもの・・・、それが古代の貯水槽である。下図の赤丸内にあたる。

カミロス遺跡 アクロポリスの図 展示ボードより

 

 

アルカイック時代の貯水槽

ヘレニズム時代の給水システム

アルカイック時代の貯水槽は、(おそらく)紀元前6世紀に、最初のアテナ神殿と同時期に建設され、下方に広がるアルカイック時代の都市に水を供給しました。貯水槽の大きさは17.40 x 10.20メートル、深さは3.20メートル、容量は600立方メートルありました。

雨水は、貯水槽の屋根からだけでなく、神殿の屋根や当時存在していた隣接する建物の屋根からも、粘土製の土管を通して集められていました。水は貯水槽の縁の周りの溝に運ばれ、四隅の注ぎ口から内部に落ちました。

解析によると、貯水槽の壁をコーティングした防水性の水硬プラスターは、耐久性のある現代のセメントに匹敵していました。

ヘレニズム時代の聖域のストア(柱廊)が建設された時、貯水槽は廃止されました。その機能は、アーチ型の屋根がついた、高さ1.90メートル、幅0.60メートルの水路に水を集める、新システムに置き換えられました。

水路は、ストア(ストアの全長に渡る長さ)の下を走っており、中央水路に直角に配置された小さな地下水路が街へ向けて走っていました。そしてさらに、ストア(柱廊)の部屋の後部に設けられた井戸にも水を供給していました。

 

カミロス遺跡 貯水槽跡

 

カミロス遺跡 貯水槽跡

 

上の写真を拡大したもの。確かに貯水槽の壁は石積の表面がコーティングされているのがわかる。コーティングがはがれて石積が見えている部分もある(左の方)。

カミロス遺跡 貯水槽跡

 

カミロス遺跡 貯水槽跡

 

小さな洗濯場?

街の方へ少し下った所に、貯水槽の超ミニミニ版を見つけた。

カミロス遺跡

 

ズームアップ。内側の壁からテラコッタ製のパイプが見える。

カミロス遺跡

 

もしや、古代の洗濯場・・・?

とも思ったが、案内はない。説明が欲しいところである。

違う角度から撮った写真。こちらのパイプの穴は塞がっている。壁はコーティングされているように見える。

カミロス遺跡

 

周囲ではところどころ、パイプが地表に現れていた。例えば、下の写真の赤丸内のパイプ(2か所)。両者はつながっていると思われる。

カミロス遺跡

 

ズームアップ。地表に出ているパイプ。ひび割れ破損していた。

カミロス遺跡

 

住居跡(メインストリート)

メインストリートに入る前に、(上ってきた見学路とは)反対側の見学路からも遺跡を見てみた。バックに海が見え、とても美しい写真が撮れる。

カミロス遺跡

 

まるで、入り組んだ迷路のように見える住居跡。

カミロス遺跡

 

カミロス遺跡

 

メインストリート中腹から頂上を振り返ったところ。ストア跡(赤丸内)が見える。想像するしかないが、ストアの列柱が建ち並ぶ様子はさぞ圧巻だったに違いない。

カミロス遺跡

 

この遺跡では2つの浴場跡が見つかっているが、下の写真は大きな方の浴場跡。床を支えた柱がないかと目を凝らしてみたが、何も見つからなかった。

カミロス遺跡

 

ヘレニズム時代の住居跡。ここは中に入って見学できる。小さい浴場跡の近くにある。

カミロス遺跡

 

中に入って右。階段に続く部屋があった。

カミロス遺跡

 

部屋の仕切り壁。

カミロス遺跡

 

住居の中心部にあたる、柱のある中庭跡。ここを囲むように部屋が配置されていた。

カミロス遺跡

 

中庭の柱は背が低く細身。

カミロス遺跡

 

カミロス遺跡

 

上からのアゴラ周辺

一通り見学は終わったが、最後にアゴラ周辺の神殿や聖域を上から眺めたくなって、もう一度、見学路に上ってみた。

カミロス遺跡

 

上から見ると、ずいぶん趣が違う。貴重な体験だ。

カミロス遺跡

 

カミロス遺跡

 

最後に

どこも省略することなく遺跡を見てまわったが、帰りのバスの時間には充分間に合った。約2時間の見学だったが、最後に一息つける余裕もあり、バスの時間配分はよく考えられていると思った。

斜面に広がる古代都市に日陰はなく、古代カミロス人達もさぞかし暑かっただろうと思ったが、さわやかな風が谷をさぁーっと吹き上げてきて、とても気持ちの良い場所であった。視線を遠くに移せば青い青い海が陽光にきらめき、目を閉じれば松林を吹きぬける風の音が心地良い。こうして身を委ねてみると、ここが文字通り「サンクチュアリ」であることにうなづける気がする。

つづく

おすすめ記事