さあ、階段を登ってみよう!
シミ・シュリンプを堪能した後は、湾の反対側にも足をのばしてみることにした。
反対側に来てみると、洒落たレストランが固まっており、観光客がさっきより多かった。家々も小ぎれいでしゃれている。道を奥の方まで歩いていくと、上へ登る階段が見えてきた。わたしは、たちまち好奇心が抑えきれなくなり、夢中で階段を登り始めた。
崖からのシミ
地図や道案内があるわけではないが、湾から離れないよう散策していけば、常に湾を見下ろせるので、自分の位置を把握することができる。注意すべきは、余裕をもって船に戻ること、それだけだ。
登っていくと、意外にも、ボロボロの崩れた空き家がチラホラあった。
まるで中世の遺跡のようだ。
青い階段。右奥の崩れかけた建物の壁に「For sale」の文字。
赤茶色の屋根が広がってきた。まだまだ上を目指す。
岩の張り出した道。リンドスのアクロポリスへの道を彷彿とさせる。
さあ、だいぶ登ったかな(笑)
シミの港。上から見るとこんな感じ。
家がびっしり並んでいる。上から見るのも良いね~♪
だいぶ登りました~!!向こうのお山が見えてきた(笑)!!
この辺から下りに入る。
わたしの憧れ(笑)
情緒ある階段の道
広い階段道。これ以上奥へ進むと湾から離れてしまう。今回はここまで(笑)
さあ、下りましょう!
いろいろ歩きまわったが、人はいない。いや、正確に言えば、一人だけ島民とすれ違った。かなり登った所の、狭い階段で、買い物袋を下げたおじさんが前から歩いてきた。
「おやおや、大丈夫かね?」
おじさんは、驚いたように言った。わたしが道に迷っていると思ったらしい。わたしは、散策を楽しんでいることを告げ、おじさんを安心させた。
おじさんが通り過ぎたあと、自然と、島の暮らしに思いは飛んだ。
ひな壇の家の人々
美しい景色や家々を眺めながら歩いていると、偶然、下に建っている家の中庭が見えてしまった。きちんと手入れされたお庭に、居心地良さそうな椅子とテーブル。絶景を前に、知人を招いてか、家人が楽しそうにお茶をしていた。
わぁ、ステキ!!
思わず心の中で歓声!!
カフェだったら、迷わず入ってたな~
しかし、プライベート空間だったため、あわてて視線を外した。
崖に建つ、ひな壇状の集落というのは、こういう感じなんだなぁ、と改めて思った。下の家は丸見えなんだろうけれど、(一番上の家でない限り)そこはお互い様ということで、うまく折り合いをつけているのかな・・・?
いったん港へ下り休憩をしたあと、今度は反対側の湾からも崖を登ってみた。
崖からのシミ 2
どこもかしこも、階段、階段、階段・・・
足が鍛えられるなぁ・・・(笑)!!
旅行前に、サントリーニの500段の階段に備え足腰を鍛えていたのだが、結局、港を勘違いして階段は使わなかった。トレーニングは無駄になったと思っていたが、まさかのまさか、ここにきて役に立つとは・・・!! わからないものである(笑)
天然の要塞。
ひな壇の家の人々 2
景色を堪能した後は、船が停泊している辺りを最後の散策にしようと思った。
崖を下る。
人がやっとすれ違えるくらいの狭い階段や、民家の軒下を通り抜ける。家々が密集している地帯だ。
シミは植木鉢までカラフル!? ちょっと感動(笑)
色使いが美しい。薄紫の扉が印象的な家。
ちょっと入り組んできた・・・
進むうち、途中で階段の分かれ道にでた。
さあ、どっちだろう・・・?
迷って立ち止まっていると・・・
「こっちだよー!!」
と、上から声がした。
エッ・・・
と思って見上げると、上方に建つ家のベランダから、おじさんがこちらを見下ろしていた。
エフハリスト!!(ありがとう!!)
お礼を言いながら、面白いなぁと思った。誰もいないと思っていたが、思わぬところから助け舟。(笑)
ひな壇に建つ家々のおかげだ。上方に住む人たちは、下方のことが手に取るように見えるのだ。
注意!トンデモ男
美しいシミの思い出には似つかわしくない話だが、女性で旅する方がいらっしゃれば、こうした失敗談は参考になるかもしれない。(不要であれば、ここは飛ばしてください)
ナンパの類であるが、事前にパターンを把握しておけば、ある程度、不快なことを未然に回避することができるだろう。
そのトンデモ男は、なんと制服をきちんと着て、観光客の呼び込み(客引き)をしているレストランの男性だった。普段から観光客を相手にしているわけだから、一目で「女ひとり旅、日本人」と見抜いたのかもしれない。
まず、はっきりと理由を告げず、「何だろう?」と思わせるような、人の注意を引くような声掛けをしてくる。
(わたしも)何かと思い、話を聞くと、「昔、日本にいた、日本のこういうところに感動した、日本はすばらしい」などと、親日ぶりをアピールしてくる。この時点で「(ひとり旅でも)友達が待っているので行きます」と立ち去ろう。何か叫ばれても、振り返らず、歩き去ることが肝心である。
結局、このトンデモ男は、わたしが島には泊まらず、日帰りで帰るとわかったとたん、たちまち豹変し、下品な態度をあらわにしてきたのである。
別ページでも注意点をまとめているが、初対面で向こうから声をかけてきて、親日ぶりを並べ立てる人からは遠ざかった方が無難。「日本○○」が始まったら、すぐにこの話を思い出し、トラブルを未然に防ごう!!