正門へ
坂道を上がったところ。迫力の石積。
ここで、ちょっと一息。
先ほどのオレンジ畑。緑が美しく、何度も写真に撮ってしまった(笑)。
えぐれてしまった石積。
ここからは、城壁の内側を歩く。
正門への道(写真を2枚つなげてみました)
ニッチ(壁龕:へきがん)
可能な限り、石積に近づいて撮影。
古代人の、途方もない労力を想像し、圧倒される。巨人伝説があるのも、うなづける。
石積みのコーナー部分。きれいに形作られている。
ゆるい坂道を上り続けていると…
おや! これは一体…!?
城壁の内側に、窓のようなきれいな形の窪み(ニッチ)がポッカリ開いていた。何のために作られたのだろう…と、不思議な気持ちになる。
近づいて、窪み(ニッチ)を見上げてみた。ミケーネ遺跡同様、コーべリング技法で石が積み上げられているようだ。
窪み(ニッチ)の側面。奥行きもある。
ペットボトルの大きさからわかる通り、人一人が十分におさまる空間である。
神や神聖視されていた象徴の彫像が設置されていたかもしれないし、もしくは、ここは鉄壁を誇る堅牢な城塞の外壁であり、正門が近いことから、守備に関連する設備だったのかもしれない、などと思ったが、いずれにせよ、何のための窪み(ニッチ)なのかは、展示ボードの説明もないため、わからない。
下写真:窪み(ニッチ)を通り過ぎ、振り返ったところ。地面からさほど高くない位置にある。
正門
窪み(ニッチ)を通り過ぎると、壁が途切れ、下のオレンジ畑が見える箇所があった。
わたしは、この壁と壁の間を通り抜けると、どこへつながるのかと疑問に思い、壁の外を見ようとしたが、立入り禁止の柵と分厚い壁にさえぎられ、向こう側がどうなっているのか全くわからなかった。このような時に、ちょっとした案内板があると、助かるのだが…(後日、ネットで調べたところ、傾斜路につながっているようでした、笑)。
さて、そのまま進んで行くと…
ん? 何か見えてきた!
城塞のメイン・ゲート、正門に到着。
太い脇柱しか残っておらず、残念ではあったが、それでも、ミケーネ遺跡の門を彷彿とさせるりっぱな石柱であった。当時は、「Π(パイ)」の字型に石が組まれ、ひょっとしたら、獅子門を思わせるような装飾が、上部にあったのかもしれない、と想像する。
右側の脇柱には、円い形状の深い穴が開けられている。(上写真の拡大↓)
機械で開けたような、滑らかで美しい穴であり、紀元前13世紀半ば頃に、こうした技術があったことに驚いた。展示ボードがないため、想像するしかないが、ミケーネ遺跡を参考に考えると、おそらく、木の扉が設置され、閂(かんぬき)のような横木を脇柱の穴に差し込み、施錠していたのだろう。
冒頭写真:正門手前で坂道を振り返ったところ。ティリンス遺跡