南ストア
次は、フォロロマーノの南側にある南ストアを見てみよう(地図の日本語は加筆しています)。
遺跡マップ
南ストアの柱廊跡
コリントス遺跡
南ストアの施設跡とアクロ・コリントス山
コリントス遺跡
展示ボードによると…
…南ストアは、紀元前4世紀後半、コリントスの競技場の南側に建造されました。
アメリカ古典学研究所による発掘調査は、1933年に始まり1948年に完了しました。
ストアの面積は約0.4ヘクタール、大きさは164.38m × 25.15mです。ファサードには71本のドーリア式円柱が立ち並び、内部には34本のイオニア式円柱の柱廊がありました。ストアの奥には、二部屋からなる居室が33ありました。1階の部屋には、水やワインを保冷するための井戸が備えられ、店舗やレストランとして利用されていました。
ヘレニズム時代のストアにある居室のうち、西側3部屋の保存状態は良好です。
ローマ時代(1世紀~3世紀)には、ストアの部屋の大部分が、大きさや用途の異なる独立したエリアへと改築されました。中でも特筆すべきは、イストミア大祭に関係していたAgonotheteion(アゴノテテイオン?)、南バシリカに通じる前門、噴水施設、1世紀後半に建てられたブレウテリオン(議事堂)、古代末期に建てられた後期ローマの浴場と公衆トイレです。
また、1世紀半ば頃、ストアの中央には、ケンクレアイに通じる舗装道路が走っていました。
ストアの後部は次第にその美しい外観と統一された機能を失っていきましたが、2列の列柱を備えた前部は、その形状と統一性を保ち続けました。しかしながら、ついにストアは6世紀に放棄されました。
展示ボードより (一部引用し、ざっくり和訳)
※(自分なりにネットで調べたところ、①Agonotheteionとは、競技委員が利用した建物とのこと。コリントスはイストミア大祭の開催地であるため、この大祭を運営する委員に関連する施設であった可能性が高いそうだ。イストミア大祭はオリンピア大祭に並ぶ、ギリシャ四大祭典競技会の一つ。②ケンクレアイとは、コリントス東方の港、西側の港:レカイオンと並ぶ重要な港であり、東地中海地域との交易の拠点として繁栄したそうである)
写真を2枚つなげてみました。
コリントス遺跡
頭のない彫像が立っている。
コリントス遺跡
上写真の拡大↓
コリントス遺跡
ここにも!
コリントス遺跡
ここは、石積の形から(円形の後陣のある建物)、ブレウテリオンのようだ。
コリントス遺跡
コリントス遺跡
石に刻まれた文字
コリントス遺跡
何かが鉄板でふさがれている。
コリントス遺跡
上写真の拡大↓ ひょっとして、水やワインを保冷していた井戸の跡だろうか? 食堂だったのかも…と、想像すると楽しい。
コリントス遺跡
朽ち果ててしまった石積跡
コリントス遺跡
雨水の排水路だろうか?
コリントス遺跡
イオニア式柱頭。南ストア内部の柱廊を飾っていた1つなのだろう。
コリントス遺跡
これは何だろう? ライオンの顔の彫刻。
コリントス遺跡
つづく
冒頭写真:ブレウテリオン前の彫刻、南ストア、コリントス遺跡より